【翻訳】Magic Math:安定して土地をプレイするには何枚必要なのか?(解説)(後半)
後半はないと言ったな、ありゃ嘘だ。
原文:
方法2:データセット
数学へ戻ろう。何枚土地が必要かという疑問に対する理解与える2番目の方法のために、私は直近プロツアー3回(カラデシュ、霊気紛争、アモンケット)について、入念に調べた。スタンダードで全トップ8のリストと、トップ8には入らなかったが8-2以上した全リストを手に入れた。これによって合計で78リスト提供された。
これらのデッキそれぞれに対して、私は土地の数(この目的のために、《霊気との調和/Attune with Aether》や《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》を含む)と平均CMCを書き留めた。スタンダードのデッキはすべて、土地が22~26枚の間であった(一番多い枚数は断然24枚)ので、私は土地の枚数がより極端であるいくつかのデッキを得るため、直近4回のモダングランプリイベント(神戸、コペンハーゲン、バンクーバー、ブリスベン)のトップ8のデッキ(合計32デッキ)も加えた。
特殊ケース
特殊ケースは次のように扱った:
- スタンダードでは、主な目的が土地をフェッチするような(《霊気との調和/Attune with Aether》や《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》など)コストの安い呪文は、土地と1マナカードの両方にカウントした。モダンでも同様なアプローチをしたが、《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》は例外とした。抑揚は達成がとても簡単でクリーチャーがとても良いので、土地としてカウントしなかった。
- マナを産む0マナカード(例えば《オパールのモックス/Mox Opal》)は土地としてカウントした。《霊気の薬瓶/AEther Vial》も土地として扱った。
- マナクリーチャー(《導路の召使い/Servant of the Conduit》、《貴族の教主/Noble Hierarch》など)は土地としてカウントしなかった。マナ・アーティファクト(《精神石/Mind Stone》、《耕作者の荷馬車/Cultivator's Caravan》など)やコストの安いドローや選択呪文(《発生の器/Vessel of Nascency》、《血清の幻視/Serum Visions》、《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》など)も土地としてカウントしなかった。
- コスト削減を持つカード(《ホネツツキ/Bone Picker》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》、《膨らんだ意識曲げ/Distended Mindbender》など)は、カード自身がもっているマナコストとしてカウントした。例外は《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》で、このカードは8マナでカウントした。
- Xコストを持つ呪文は、《虚空の杯/Chalice of the Void》は0マナ、《闇の救済/Dark Salvation》は1マナ、《歩行バリスタ/Walking Ballista》は2マナ、《隔離の場/Quarantine Field》は4マナでカウントした。
- 《通りの悪霊/Street Wraith》はCMCを0を持つカードとしてカウントし、同じ性質がある《砂漠セロドン/Desert Cerodon》、《巨怪なオサムシ/Monstrous Carabid》、《遺棄地の恐怖/Horror of the Broken Lands》は1マナでカウントした。
見ての通り、たくさんの簡潔化とモデルの選択をした。そして現実には、真実は中間のどこかである:《霊気との調和/Attune with Aether》や《霊気の薬瓶/AEther Vial》は完全に土地ではなく、《貴族の教主/Noble Hierarch》、《耕作者の荷馬車/Cultivator's Caravan》や《血清の幻視/Serum Visions》のようなカードは単に1/2枚か1/3枚の土地として数えることができた。同様に、Peter Vierenの土地24枚のコントロールデッキは、8枚の1マナサイクリングのおかげで、ほとんど土地27枚デッキであるが、私の仮定の元ではまだ土地24枚として扱われる。私の方法でも、《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》は、完全に公平ではないが、マナコスト10を持つカードとしてカウントした。しかし、私の有効な時間では、十分と呼べる質をもつデータを仮定することができた。
線形回帰の結果
全110デッキについて散布図上にプロットし、すべての点において最もよくフィットする直線を引いた。特に、簡単な線形回帰から最小二乗法のアプローチを使って、フィットさせた直線と全部の点との間の、距離の二乗の合計値を最小化した。実際の相関が線形でなければならないと考える理由はないが、もっと複雑な相関であると疑う理由もない。理にかなったR二乗値(大雑把に言うと、どの程度データがフィットさせた直線に近いかを表す統計量である)は0.614であると得られた。結果は以下の図の中に示している。
私のデータを基にしたこのモデルでは、デッキ内の土地の数は 16 + 3.14*(非土地の平均CMC) で与えられる。データの中に見られるように、たくさんのデッキは多分、この数式が示すであろう枚数より、2枚多いか2枚少ないかである --- 結局、すべてのデッキは異なっており、呪文を引くコストの安いカードやマナクリーチャーは枚数に影響をあたえられ、平均CMCは何も示していない。しかし、少なくてもこの分析から大雑把なガイドラインを得ることはできる。
面白い観察として、直近3回のプロツアーで優勝したデッキはすべて、赤で示したが、すべて回帰直線の上に置かれていることである。私は、全面的な結論を出すために必要な十分なサンプル数がないと確信しているにもかかわらず、この結果は、プロツアーの優勝者達は、土地の枚数を削っていなかったことを意味している --- むしろ、わずかに土地の枚数を多くしていた。君が疑問を抱いているとき、この結果を目安にするならば、おそらくデッキに追加の呪文の代わりに土地を入れるほうが良いだろう。
まとめ
一つの表の中で2つの方法から鍵となる数字を組み合わせ、60枚デッキについて、一組の提案を提供することができる。統率者では、提案した土地の枚数に 99/60 を掛ければよい。リミテッドでは、近い数字を得るために 40/60 を掛ければよい。
この表の最初の列「土地の数」を適切に理解するために、君は《霊気との調和/Attune with Aether》や《霊気の薬瓶/AEther Vial》のようなカードを数えるべきであることを留意されたい。さらに、「方法2:特殊ケース」節で記述した仮定を参照されたい。
土地の枚数 | 平均CMC | デッキのタイプ(割合は先手の場合) |
---|---|---|
18 | 0.48-0.80 | 低マナデッキ:デッキが機能するために土地は1~2枚だけ必要。しかしデッキに3マナのカードは無い。 |
19 | 0.80-1.12 | 低マナデッキ:2ターン目で土地が2枚必要(97.7%)。しかし数枚ある3マナカードのために、3ターン目で土地が3枚あるといい(76.5%)。 |
20 | 1.12-1.44 | 低マナデッキ:2ターン目で土地が2枚必要(98.3%)。しかし数枚ある3マナカードのために、3ターン目で土地が3枚あるといい(79.6%)。 |
21 | 1.44-1.76 | アグロデッキ:全ゲームにおいて、2ターン目で土地が2枚必要(98.8%)。しかし何枚かある3マナカードのために、3ターン目で土地が3枚あるといい(82.3%)。 |
22 | 1.76-2.08 | アグロデッキ:全ゲームにおいて、2ターン目で土地が2枚必要(99.2%)。しかし何枚かある3マナカードのために、3ターン目で土地が3枚あるといい(84.7%)。 |
23 | 2.08-2.40 | アグロデッキ:ほとんどのゲームにおいて、3ターン目で土地が3枚必要(86.8%)。4ターン目までに土地が4枚あると良いが(67.7%)、必須ではない。 |
24 | 2.40-2.72 | ミッドレンジデッキ:ほとんどのゲームにおいて、3ターン目で土地が3枚必要(88.7%)。4ターン目までに土地が4枚あると良いが(71.3%)、必須ではない。 |
25 | 2.72-3.04 | ミッドレンジデッキ:デッキが機能するために土地を3枚プレイする必要がある(90.4%)。比較的頻繁に、4ターン目までに4枚目の土地もプレイしたい(74.7%)。 |
26 | 3.04-3.36 | コントロールデッキ:デッキが機能するために土地を3枚プレイする必要がある(91.8%)。比較的頻繁に、4ターン目までに4枚目の土地もプレイしたい(77.9%)。 |
27 | 3.36-3.68 | コントロールデッキ:デッキが機能するために土地を4枚プレイする必要がある(80.8%)。定期的に、5ターン目までに4枚目の土地もプレイしたい(65.3%)。 |
私は、この分析が全世界のデッキ構築者達に有益であることを望んでいる。マジックは、君が正しい土地の枚数をデッキに入れるとき、もっと楽しいものである --- 土地の枚数を削るという間違いをしないように!
(おわり)