MTG翻訳したいブログ

金魚(mtggoldfish.com)にある、自分にだけ需要がある記事を翻訳する俺得ブログ

【翻訳】ローテーションに備える:デッキ編(スタンダード)(後編)

前編からの続きです。


原文

www.mtggoldfish.com

青単ストーム

ローテーションされるキーカード:
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》、《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》、《バラルの巧技/Baral's Expertise》、《暗記+記憶/Commit+Memory》、《金属の叱責/Metallic Rebuke》、《改革派の地図/Renegade Map》、《発明博覧会/Inventors' Fair》、《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane》

生き残るキーカード:
《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》

青単ストームは死ぬ。これについてこれ以上言うことはない。順番にいこう。このデッキにとって一番重要なカードは、《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》、《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》、《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》、《バラルの巧技/Baral's Expertise》で、すべてローテーションされる。ウィザードがどういうわけかラヴニカのギルドでストームを(まず無いが)サポートするメカニズムにしようしなければ、ストームの計画はスタンダードを去ることになる。

そうは言ったものの、良い知らせのヒントはある。コンボはローテーションが来るとテーブルから追い出されるが、《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》、《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》、《宝物の地図/Treasure Map》はまだあるし、基本セット2019から興味深いアーティファクトカードが何枚かある。だからラヴニカのギルドで青単アーティファクトが見られる可能性はある。ストームは無いが、多分《工匠の達人、テゼレット/Tezzeret, Artifice Master》が加わり、よりミッドレンジかコントロールに寄るだろう。パーツはそこにある。そしてTierデッキがたくさん去ることで、現実のデッキへと解決するために、必要なアーティファクトが大きく変わるかもしれない。そういう訳で、もし君が青単ストームをプレイしているなら、ローテーションで死んでしまうので、この後数か月間を楽しんでほしい。そしてこのデッキはコンボ・パーツを1枚どころか4枚も失ってしまうので、ラヴニカのギルドでこの事実を変える何かが刷られることは、ほとんど可能性がゼロである。

白青ギフト

ローテーションされるキーカード:
《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》、《発明の天使/Angel of Invention》、《機知の勇者/Champion of Wits》、《査問長官/Minister of Inquiries》

生き残るキーカード:
なし

こいつについては何も言うことは無い。デッキ名の《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》はローテーションされ、サポートカードはすべてローテーションされ、ほとんどの除去と全体除去はローテーションされる。あぁ、まだ《航路の作成/Chart a Course》があったね!

エスパー・コントロール

ローテーションされるキーカード:
スカラベの神/The Scarab God》、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》、《致命的な一押し/Fatal Push》

生き残るキーカード:
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》、《アズカンタの探索/Search for Azcanta》、《残骸の漂着/Settle the Wreckage》、《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt

エスパー・コントロールは、追加の除去と《スカラベの神/The Scarab God》のために黒にタッチしていることを除くと、白青コントロールに非常に似ている。《スカラベの神/The Scarab God》と《致命的な一押し/Fatal Push》が無いと、直線的な白青コントロールの代わりにエスパーにする理由があまり無い。つまりほとんどのエスパー・コントロールのプレイヤーは《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を追加で何枚か加え、ローテーションで白青コントロールに変異しそうである。

そうは言ったが、巨大で複雑な要因がここに1つある。ディミーアはラヴニカのギルドでサポートされる部族であり、アゾリウスはラヴニカの献身の冬までサポートされないということだ。エスパーは黒を捨て白青コントロールに変わることはまだ非常にありそうなことではあるが、もしラヴニカのギルドで強力なディミーアのコントロール・カードがもたらされたら、このデッキはエスパー色のまま残るかもしれない。今のところ、分かる術はあまり無い。ただ待って見るしかない。それでもまだ、《スカラベの神/The Scarab God》と《致命的な一押し/Fatal Push》が無い現在のスタンダード合法のカードしか考えないと、直線的な白青コントロールに代わってエスパー色をプレイする理由はほとんどない。

 黒単ゾンビ

ローテーションされるキーカード:
《呪われた者の王/Lord of the Accursed》、《リリアナの支配/Liliana's Mastery》、《戦慄の放浪者/Dread Wanderer》、《致命的な一押し/Fatal Push》、《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》

生き残るキーカード:
《死の男爵/Death Baron》、《死が触れぬ者、リリアナ/Liliana, Untouched by Death》、《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》、《墓地の司令官/Graveyard Marshal》

ラヴニカのギルドでたくさんのゾンビが提供されなければ、この部族の成功は短命のように見える。現在ゾンビをプレイする主な理由は、この部族には良いロードがたくさんあるからだ。しかしローテーションは《呪われた者の王/Lord of the Accursed》と《リリアナの支配/Liliana's Mastery》の両方がなくなると主張するので、このデッキはすぐに《死の男爵/Death Baron》だけになってしまい、そうして競技的なアドバンテージはなくなってしまう。逆に、もしラヴニカのギルドでゾンビ・ロードが提供されるなら(ゴルガリはサポートされる部族であり、過去にゾンビをテーマにしたことがあるので、可能性はある)、ゴルガリ・ゾンビがローテーション後のデッキとして現れる可能性はある。

ラヴニカのギルドで提供されるいいものをすべて差し引くと、ローテーション後のゾンビにとって最高の望みは、ゾンビテーマを捨てて黒単アグロになることに焦点を当てることかもしれない。《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》と《墓地の司令官/Graveyard Marshal》は両方とも、シナジーがなくても特にアグロで強力なカードだ。だから多分、数か月後大半のロードがスタンダードを去った後、生き残る何枚かのゾンビに、プレイアブルのままであるチャンスが与えられるだろう。

今日話したデッキ全部のうち、ゾンビはラヴニカのギルドのスポイラーを念入りに見ておきたいデッキだ。青単ストームや黒緑カウンターのような、ラヴニカのギルドで何が刷られるかに関係なくローテーションで死ぬデッキとは違って、ゾンビにとって、トップTierで残ることが出来る十分なカードを得る望みはいくらかはある。ラヴニカのギルドではゾンビはたくさん含まれず、この部族はフェード・アウトするか非部族の黒単アグロデッキに変わる可能性もある。今のところ、時間だけが知っている。

他のデッキ

  • 《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》が入ったものは何でもローテーションで死ぬ。デッキの色はあまり問題ではない。この問題は《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》自体のローテーションだからだ。
  • 白単天使はローテーションでデッキが改善される序盤の本命だ。(デッキにあることが良くない)2枚の《歩行バリスタ/Walking Ballista》の他、クリーチャーとその辺にいるもの全部含めて、非主流のパーツしか失わない。
  • 同じことが白黒騎士にも当てはまる。実際、このデッキはクリーチャーとプレインズウォーカーはすべて残り、《致命的な一押し/Fatal Push》と《飛行機械による拘束/Thopter Arrest》のような交換可能な除去を何枚かしか失わない。
  •  青黒アーティファクトは評価するのがトリッキーなデッキだ。このアーキタイプは《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》と《工匠の達人、テゼレット/Tezzeret, Artifice Master》を含む最も強力なカードはたくさん残るが、カラデシュ・ブロックの即席と最初見たときより重要だった《改革派の地図/Renegade Map》のような適当なサポートアーティファクトを失う。カーン/テゼレット・アーティファクト・デッキは確かにローテーション後も現れるが、失ったパーツのためにたくさんの再構築が要求されることになる。
  • ラヴニカのギルドのスタンダードで、競技的で低予算のデッキを探しているなら、最高のスタート地点は赤単ケルドの炎だろう。このデッキは Budget Magic のウィザード・バーンにとても似ている。このデッキはすでに結果を残していて、赤単アグロの残りと比較してもたくさんは失わない(主に《ボーマットの急使/Bomat Courier》と《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》で、出来れば他の赤の1マナと交換したい)。さらにできるだけ攻撃的に行くことは、新しいカードのために最適化しきっていない構築でプレイする他のプレイヤーを懲らしめることができるので、ローテーション後すぐの間は良い戦略であることが多い。
  • 《反復の学部長、ナバン/Naban, Dean of Iteration》は《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》によって吹き飛ばされるので、赤単ケルドの炎よりリスクはあるが、ウィザードはもう一つのよい選択肢だ。
  • 猫は死ぬ。《ドレイクの安息地/Drake Haven》のような各種サイクリング・コントロール・デッキも死ぬ。《副陽の接近/Approach of the Second Sun》も死ぬ(やったぜ)。
  • ティムール・選別ワームのようなランプデッキは奇妙な位置にいる。《約束の刻/Hour of Promise》(と大抵《破滅の刻/Hour of Devastation》)はこのデッキの根源を形成している。《灰からの成長/Grow from the Ashes》は代替物となりえるが、ゾンビを作らなかったり非基本土地を手に入れられないことは大きな下位互換である。このアーキタイプが生き残るくらい良いランプカードがたくさんあるが、疑問点はローテーションされるカードが死ぬとき、このデッキはどの程度強力であるかである。俺の推測では、ラヴニカのギルドで何がもたらされるか見なけらばならないが、一般的にランプは悪くなるが、競技的にアンプレイアブルになるくらいとても悪くはならないだろう。
  • 最後に、イクサランの部族を忘れてはならない。最近結果を残していないが、吸血鬼、マーフォーク、恐竜、海賊はすべてローテーションで自動的により良くなる。なぜなら、このデッキは何も失わず、ほとんどの最高のデッキはたくさんからすべての間のどこか量を失うからだ。つまり、特に良い赤単アグロのカードがローテーションされるおかげで、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》(こいつは基本的に恐竜以外のデッキにとってfun policeだ)の人気が下がれば、最終的にこれらの部族が輝く時になるかも知れないということだ。(訳注:fun policeの意味が分かりませんでした。なんとなく楽しさを制限する者、という意味っぽいですが)

総括:デッキのランキング

今日の総括は、ローテーションでどの程度生き残るかという観点で、デッキをランキングしよう。この計画は単純だ。トップTierとは、少しの変更でローテーションで生き残りそうなデッキである。中間はローテーションで生き残るチャンスはあるが、新しいカードを何枚か受け入れる必要がありそうなデッキである。一番低いTierは、ローテーションが数か月で呼ばれたとき(ラヴニカのギルドで驚くくらいたくさんのサポートがなければ)死ぬであろうデッキである。

ここで、次のことを明らかにしておくことが重要だ。このランキングはただ単に、どの程度デッキがローテーションで生き残るかを元にしているだけである。ローテーション後デッキがどの程度良いかのランキングではない。大きな整備かゼロから始める必要があるデッキと比べて、大きなスタンダードですでに良くローテーションで比較的少ししか失わないデッキが、ラヴニカのギルドのスタンダードで確実に有利であることは正しいが、ラヴニカのギルドでどんなカードが現れるか知らないで、ローテーション後のメタを推測することは不可能である。

  • Tier1 (すでに良く、ほとんど失わない):白青コントロール。緑単ストンピィ。
  • Tier1.5 (上昇する、現在低Tierだがローテーション後良くなりそう):白単/白緑/アブザン・天使。白黒騎士。赤単ケルドの炎。
  • Tier2 (現在良いがローテーション後助けか再構築の必要がある、生き残るかもしれないし生き残らないかもしれない):グリクシス・ミッドレンジ/ドラゴン。赤/赤黒アグロ。ゾンビ。ランプ。青黒アーティファクトエスパー・コントロール
  • Tier2.5 (現在競技的ではないが、ローテーション後よくなりそう):恐竜。白黒吸血鬼。青緑/青単マーフォーク。海賊。青赤ウィザード。青単ウィザード。
  • Tier3 (ラヴニカのギルドで奇跡が起きないとローテーションで死ぬ):各種ギフト。黒緑カウンター。青単ストーム。猫。サイクリング・コントロール。各種副陽。

 もちろん、このランキングは、特にTier2について、欠陥が無い訳ではない。例えば、《破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravager》が入ったある種のグリクシス・ミッドレンジが、ローテーション後のスタンダードの一部になることは、とてもありそうである。疑問点は、存在するかどうかではなく、どのくらい良いかである。逆に、(ラヴニカのギルドでサポートを得て)ゾンビがプレイアブルなデッキとして残るか、(ラヴニカのギルドで何も得ず)競技的なデッキとしての存在を終えるかは、半々である。それでもまだ、こういった欠陥があるにもかかわらず、このTierリストは君にローテーション後を予想するための、とても良いアイデアを与えるに違いない。

おそらく、ラヴニカのギルドで何が起こるかに関係なく、Tier1のデッキがローテーション後のスタンダードでたくさんプレイされることが非常にありそうである。Tier1.5のデッキは、Tier1程評価はされないのでリスクが伴うが、基本的にローテーションでカードがすべて残るという意味で、他と同じように見える。Tier2のデッキはどちらかの道へ行くかもしれない。最高のカードをたくさん失うが、みんなは少なくてもローテーション後デッキを回そうとしてみるくらい定番カードが残るか、ラヴニカのギルドから正しいサポートがあり、ローテーション後トップ付近に留まるかである。Tier2.5のデッキは、カードは残るのでローテーションで良くなるが、他のデッキは重要なモノを失い、現在トーナメントレベルでプレイされていないのでもっと低いラインであることを除くと、Tier1.5と同じようになる(少なくてもTier1.5のデッキはすべて最近結果をある程度残している)。最後にTier3は、ウィザーズが何か超狂った前例のないこと(たとえその次元のフレーバーに合っていなくても、《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》を再録するとか)をしなければ、ローテーション後チャンスが無いくらいキー・パーツを失うので、おそらく忘れるべきであろうデッキである。

まとめ

ともかく今日はこれで全部だ。ローテーション後のラヴニカのギルドのスタンダードで、君が一番わくわくしたデッキは何かな? もし君のデッキがローテーションされるなら、乗り換える計画は何かな? ローテーションでどんなデッキが良くなるかな? とても悪くなるデッキは他にどんなのがあるかな? コメントで教えてくれ! 

(おわり)