【翻訳】ラヴニカのギルド:スタンダードの眠れるカード達(後編)(スタンダード)
原文:
《リッチの熟達/Lich's Mastery》
数日前に Ali Aintrazi氏のレインボウリッチを生放送でプレイした。基本的には、5色《リッチの熟達/Lich's Mastery》の無限ターンコンボデッキだ。このデッキ自体はとても楽しかったが、このデッキをプレイして俺が一番大きな収穫を得たことは、《リッチの熟達/Lich's Mastery》が適正なカードとして、特に低コストな呪文と諜報の効果で墓地を満たす呪文を妥当な数プレイするデッキとして、どのくらい良かったかということだ。ある意味《リッチの熟達/Lich's Mastery》があると、諜報で墓地に置く各カードは、(後で《リッチの熟達/Lich's Mastery》で追放するから)ライフを1点得ることとなり、墓地に溜め、安定して(かランプして)《リッチの熟達/Lich's Mastery》を出すことができれば、すぐにアグロとミッドレンジのほとんどにとって、妥当な時間で倒すのが非常に難しいカードとなる。
もっと重要なことは、《浄化の輝き/Cleansing Nova》を除くと、(墓地と手札がすべて追放されるまで攻撃されることを除いて。しかし、これは長い長い時間が掛かる)対戦相手が《リッチの熟達/Lich's Mastery》を倒す方法はあまりないことである。その上コントロールに対してはあまり《リッチの熟達/Lich's Mastery》が欲しくない。なぜならコントロールは《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の後ビートダウンで倒そうとするからだ(そして、ビートダウンが始まると、でかい《弾けるドレイク/Crackling Drake》と《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》が出て、これらがすぐに《リッチの熟達/Lich's Mastery》を破壊する)。だから対戦相手がもし《リッチの熟達/Lich's Mastery》を戦場からなんとかして引きずり降ろせるなら、死ぬという欠点は、大きな欠点ではないということである。(多分、すでにフォーマット定番である、《渇望の時/Moment of Craving》や《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》のようなカードから)ランダムで付加的なライフゲインを添えることで、《リッチの熟達/Lich's Mastery》の本当に安定した妥当な構築の土台があり、このエンチャントが着地すると、20や30点のライフを得て、ゲームを終わらせる必要がある行動をするためのカードを引くことができる。
レインボウリッチ
- メイン
土地 | ||
2 | 《湿った墓/Watery Grave》 | |
2 | 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》 | |
1 | 《断崖の避難所/Clifftop Retreat》 | |
1 | 《平地/Plains》 | |
1 | 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》 | |
1 | 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》 | |
1 | 《森/Forest》 | |
1 | 《ギルド門通りの公有地/Gateway Plaza》 | |
3 | 《草むした墓/Overgrown Tomb》 | |
2 | 《内陸の湾港/Hinterland Harbor》 | |
1 | 《島/Island》 | |
4 | 《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》 | |
1 | 《沼/Swamp》 | |
1 | 《蒸気孔/Steam Vents》 | |
3 | 《寺院の庭/Temple Garden》 | |
ソーサリーインスタント | ||
4 | 《発見/Discovery》 | (1)(青/黒)(3)(青)(黒) |
ソーサリー | ||
2 | 《浄化の輝き/Cleansing Nova》 | (3)(白)(白) |
2 | 《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》 | (2)(黒)(黒) |
エンチャント | ||
2 | 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》 | (1)(青) |
3 | 《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》 | (4)(青) |
3 | 《リッチの熟達/Lich's Mastery》 | (3)(黒)(黒)(黒) |
4 | 《楽園の贈り物/Gift of Paradise》 | (2)(緑) |
インスタント | ||
3 | 《活力回復/Revitalize》 | (1)(白) |
2 | 《根の罠/Root Snare》 | (1)(緑) |
3 | 《残骸の漂着/Settle the Wreckage》 | (2)(白)(白) |
1 | 《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》 | (2)(黒)(黒) |
4 | 《栄光の好機/Chance for Glory》 | (1)(赤)(白) |
1 | 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》 | (黒)(緑) |
- サイドボード
1 | 《苦悩火/Banefire》 | (X)(赤) |
2 | 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》 | (4)(緑)(緑) |
1 | 《変遷の龍、クロミウム/Chromium, the Mutable》 | (4)(白)(青)(黒) |
1 | 《浄化の輝き/Cleansing Nova》 | (3)(白)(白) |
4 | 《強迫/Duress》 | (黒) |
1 | 《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》 | (3)(白)(白) |
1 | 《自然のらせん/Nature's Spiral》 | (1)(緑) |
1 | 《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide》 | (5)(青)(青) |
1 | 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》 | (2) |
1 | 《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》 | (4)(青) |
1 | 《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》 | (2)(黒)(黒) |
レインボウリッチは爆発的だが、ただのばかげたコンボのカードとしての《リッチの熟達/Lich's Mastery》の枠組みは、このエンチャントの力を本当に安売りしている。このデッキをプレイした多くのゲームでは、《リッチの熟達/Lich's Mastery》を引くことを望んでいたのは、すぐにコンボを開始したかったからではなく、最終的にゲームに勝つ方法を見つけ出すまで何ターンか生き残るためである。最終的に無限ターンで勝つことは楽しいが、5色のマナを必要としないゲームで勝つ方法もたくさんあるし、もうすこし注意してデッキを構築すれば、《リッチの熟達/Lich's Mastery》がデッキの一部にもなりえる可能性が非常に高い。
《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》
《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》は明らかに強力だが、唱えるためには伝説のクリーチャーかプレインズウォーカーが必要になる欠点のせいで、リスクが大きいカードだ。現実的には、クリーチャーは(すてきなボーナスがある伝説のクリーチャーもいるが)脆く倒されやすいので、デッキに伝説のソーサリーをプレイし始める前に、妥当な数のプレインズウォーカーが欲しいだろう。
ローテーションの前は、《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》は、良い低コストな黒いプレインズウォーカーが不足していることに苦しんでいた。《死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty》は堅牢だが、《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》と奇妙に似て5マナのリアニメーション呪文であるし、《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》の無色は、この伝説のソーサリーをサポートするには完璧だが、これだけではあまり十分とは言えない。しかしながら、物事はラヴニカのギルドがフォーマットに加わって変わった。今は《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》に加え、《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》もあり、これら2種類は4マナで高忠誠値のプレインズウォーカーであり、《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》に完璧にマナ・カーブに沿っている。
もし適当な奴らが何体かマナ・カーブに添ってヴラスカかカーンにつなげられるなら -- これはゴルガリならとても簡単にできるが -- その後マナ・カーブのトップにある《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》で対戦相手の一番良いクリーチャーを倒し、墓地へと探検した何かをリアニメートし(あるいは《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》で生け贄に捧げて)、《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》がわずか5マナでもたらす大量の価値は巨大だ。《千の目、アイゾーニ/Izoni, Thousand-Eyed》や《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》や、多分《呼び覚ます者イザレス/Isareth the Awakener》のようなカードでさえも、ついでに伝説の数を増やす手段となり、伝説のソーサリーを思いのまま確実に唱える助けになる。基本的には、ゴルガリをプレイするなら、少なくても《ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering》が働くようにしようとすることを考えるべきだ。もし君のデッキが正しく構築されているなら、ゴルガリの墓地テーマと丁度たまたま完璧に一致する、1対2交換がもたらされることになる。
恐竜
恐竜は奇妙だ。全体としてはパーツが少ないように見えるレア部族であるが、俺にとっては単独のカードとして恐竜は他のアーキタイプよりパフォーマンスが良いことを意味している。このことを心に留めておくと、特に2体の恐竜が、恐竜的なデッキにではなく単独のカードとして、ラヴニカのギルドのスタンダードでブレークするこを待っているかもしれない。
《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》
《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》は古典的な罠カードだ。みんなはこのテキストを疑似恐竜ロードと見て、恐竜部族が働くようにしようとする。ありがたいことに、《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》は、高コストで低パワーの他の仲間の助けを必要としなくても十分良い。《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》、《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》、《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》が蔓延する世界では、ただちに何かをする脅威というのは、たとえ対戦相手が状況に依存しない除去呪文を持っていても、少なくてもそのカードから何かを得ることができるので、プレミアが付く。《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》はこのコンセプトの素晴らしい例だ。たとえ対戦相手が何とかして倒しても、まだ 3/3 トークンを得ていて、対戦相手は結局除去呪文を手放すことになる。このこととたった5マナでパワーとタフネスが7(に加え、3/3 の方は速攻付き)という安定した評価が合わさり、非常に堅牢な Magic のカードにすることができる。
《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》の問題の一部は、最も合う色の組み合わせが、グルールとジャンドなので、ラヴニカの献身まで待つことだ。つまりこのカードをラヴニカのギルドの眠れるカードと呼ぶことは、時期尚早かもしれない。しかし《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と他の良いマナ・クリーチャー、安定したマナ・カーブ、良い除去のおかげで、ある種の赤緑モンスターデッキが働くようにするために、今年の冬まで待つ必要はないかもしれない。マナ・クリーチャーのマナ・カーブに沿って、《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》、《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》、《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》、キッカーした《刃の翼ヴェリックス/Verix Bladewing》へとつなぐことで、たくさんのゲームに勝つためのパワーは十分にあるだろう。そしてこのアーキタイプは、今年の冬グルールのフルセット得ると、もっと良くなるに違いない。
《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》
最後は《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》だが、このカードはみんな、あまりサポートできないデッキに入れる傾向がある。しかしもう少し注意してデッキを構築すると、この3マナは非常に強力になる。そして、この恐竜がラヴニカのギルドのフォーマットで平均よりも上にいる理由が少しある。
最初に、タフネス5がラヴニカのギルドのスタンダードで一種のマジック・ナンバーになっている。《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》や《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》や《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》のようなカードは何でも倒すことができるが、(《溶岩コイル/Lava Coil》や《稲妻の一撃/Lightning Strike》や《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》のような)多くの条件付き除去呪文は、タフネス5のクリーチャーを取り逃す。さらに《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》は序盤に攻撃できないので、この欠点のおかげで《封じ込め/Seal Away》を自然に避けられるのである。
次に、現在のスタンダードのフォーマットの根本の1つである、探検のメカニズムが表に出てくると、《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》にとって完璧になる。みんなが《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》を使ったデッキを構築する最大の間違いは、正当にプレイし、ただ働き出すのを望んでいることである。この問題は特別なサポートがないと、プレイする追加の土地がすぐに尽き、《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》は本当に何もしないことだ。しかしながら、探検を使ってデッキを構築すると、《探求者の従者/Seekers' Squire》、《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》、《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》、《発見の道/Path of Discovery》のおかげで、追加の土地が手札にいっぱいになる傾向がある。こういったデッキでは、プレイする追加の土地が尽きることはほとんどないし、《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》のおかげで毎ターン2枚プレイすると、すぐに対戦相手を追い抜くことになる。
最後という訳ではないが、《実験の狂乱/Experimental Frenzy》はスタンダードにおけるプレミア級カード・アドバンテージの1枚として、特に青以外のデッキで、解決されている。ほとんどの人達は、始めのうちはこのエンチャントを赤単アグロの中でプレイしていたが、つい最近は2色の《実験の狂乱/Experimental Frenzy》デッキに拡張している人達を見てきている。《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》は、戦場に《実験の狂乱/Experimental Frenzy》があると最高の1枚になる。毎ターンデッキのトップから追加の土地をプレイできることは、《実験の狂乱/Experimental Frenzy》で見るカードの数を増やすことになり、フィズる可能性を下げる。戦場に追加の土地があることで、デッキトップから毎ターンより多くのカードを唱えられ、《実験の狂乱/Experimental Frenzy》でプレイしたカード全部は、高速に《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》を3マナ 5/5 のビートダウン・クリーチャーに変える。あぁそうだ。最終的に2~3枚の《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》が戦場にあることになり、毎ターン2~3枚追加の土地をプレイできることになる。長くなる前に、デッキ全部をプレイでき、ゲームに勝てそうである。
赤緑ストンピィ
- メイン
土地 | ||
4 | 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》 | |
1 | 《山/Mountain》 | |
17 | 《森/Forest》 | |
プレインズウォーカー | ||
2 | 《ビビアン・リード/Vivien Reid》 | (3)(緑)(緑) |
クリーチャー | ||
2 | 《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》 | (1)(緑) |
4 | 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》 | (緑) |
4 | 《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》 | (1)(緑) |
2 | 《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》 | (10)(緑)(緑) |
3 | 《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》 | (3)(赤)(緑) |
4 | 《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》 | (2)(緑) |
4 | 《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》 | (緑)(緑)(緑) |
4 | 《大物群れの操り手/Drover of the Mighty》 | (1)(緑) |
1 | 《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》 | (2)(緑)(緑) |
エンチャント | ||
3 | 《実験の狂乱/Experimental Frenzy》 | (3)(赤) |
アーティファクト | ||
4 | 《宝物の地図/Treasure Map》 | (2) |
- サイドボード
4 | 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》 | (4)(緑)(緑) |
3 | 《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》 | (2)(赤) |
2 | 《帰化/Naturalize》 | (1)(緑) |
2 | 《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》 | (2)(緑)(緑) |
2 | 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》 | (2) |
2 | 《蔦草牝馬/Vine Mare》 | (2)(緑)(緑) |
まとめ
ともかく、今日はこれで全部だ。今回はラヴニカのギルドのスタンダードから、俺の眠れるカードを何枚か話してきた。君に眠れるカードは何かな? 次の数か月間ブレークする機会がある、現在非主流で奇妙なカードは何かな? 君が構築したくてむずむずしているデッキは何かな? コメントで俺に教えてくれ! いつものように、君の考え、アイデア、意見、提案を残してくれ。そして俺には Twitter か メールで連絡を取ることができる。
(おわり)