【翻訳】Against the Odds:シミックの隆盛(スタンダード)
スポイラー~環境初期は様子見になるせいか、なかなか面白そうな記事が投稿されません。
原文
やぁ、みんな。第174回目の Against the Odds へようこそ。今週は、ラヴニカの献身のスタンダードを特殊回で開始しよう! Againt the Odds では「あなたはゲームに勝利する」と書かれたカードがこのシリーズの中心的な部分になっているので、新しいスタンダードの探検は、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で開始するとしよう! ちょっとやることがあるが、(クリーチャーに20個カウンターを乗せることで)《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》にカウンターを20個得ることができると、このエンチャントによってアップキープにゲームに勝つことができる。スタンダードで《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》の勝率はどの程度かな? このエンチャントを使った最高の方法は何かな? 動画に行って見つけ出そう。そしてこのデッキについてもっと話をしよう!
動画
Against the Odds: Simic Ascendancy (Standard, Magic Online) - YouTube
シミックの隆盛
- メイン
土地 | ||
4 | 《寺院の庭/Temple Garden》 | |
3 | 《森/Forest》 | |
4 | 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》 | |
4 | 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 | |
4 | 《内陸の湾港/Hinterland Harbor》 | |
クリーチャー | ||
4 | 《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》 | (1)(緑)(緑) |
4 | 《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》 | (X)(緑)(青) |
4 | 《培養ドルイド/Incubation Druid》 | (1)(緑) |
1 | 《飢餓ハイドラ/Hungering Hydra》 | (X)(緑) |
4 | 《秋の騎士/Knight of Autumn》 | (1)(緑)(白) |
4 | 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》 | (緑) |
4 | 《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》 | (3)(緑)(青) |
1 | 《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty》 | (3)(白) |
2 | 《楽園党の議長、ゼガーナ/Zegana, Utopian Speaker》 | (2)(緑)(青) |
エンチャント | ||
4 | 《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》 | (緑)(青) |
4 | 《新たな地平/New Horizons》 | (2)(緑) |
インスタント | ||
1 | 《有事の力/Emergency Powers》 | (5)(白)(青) |
- サイドボード
1 | 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》 | (4)(緑)(緑) |
1 | 《拘留代理人/Deputy of Detention》 | (1)(白)(青) |
2 | 《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》 | (1)(緑) |
1 | 《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》 | (3)(白)(白) |
3 | 《否認/Negate》 | (1)(青) |
2 | 《残骸の漂着/Settle the Wreckage》 | (2)(白)(白) |
2 | 《不滅の太陽/The Immortal Sun》 | (6) |
1 | 《不和のトロスターニ/Trostani Discordant》 | (3)(緑)(白) |
2 | 《ビビアン・リード/Vivien Reid》 | (3)(緑)(緑) |
デッキ
ラヴニカの献身からは Against the Odds 用の良いカードがたくさんあるが(参考:この記事の最後にある今週の投稿)、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》が最初の回の選択になることについては、ほとんど疑いがないことだ。代替の勝利条件で勝つことは、このシリーズの根本であるし、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》はすてきな「あなたはゲームに勝利する」カードだ。だからどのカードをプレイするかはすぐに分かったが、実際《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》デッキを構築することは、見た目よりずっと難しかった。
《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で勝つ最大の困難は、もしクリーチャーになんとかしてカウンターを20個乗せると(それによって《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》に20個成長カウンターが乗る)、すでに適当なクリーチャーでゲームに勝つチャンスがあるということだ。盤面がブロッカーで身動きが取れなくなり、ある種の事故で《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で勝つ対戦もあるが、本当にこのカード働かせるためには、ある種のコンボを必要としている。スタンダードには、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》と直接「あなたはゲームに勝利する」コンボのカードは無いが、それに近いカードは1枚ある。
《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》は、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》にカウンターをすぐに20個乗せる最高の方法だ。戦場に +1/+1 カウンターが乗っている他のクリーチャーいるという点でサポートが必要になるが、本質的には戦場にいる他のクリーチャーからカウンターを奪うことで、カウンターの数を倍にする(巨大なトランプル持ちクリーチャーに変えながら)。たった1枚の《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》と大量の +1/+1 カウンターが乗ったクリーチャーがあることで、典型的には《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》に20個近くのカウンターを乗せることができ、2枚目の《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》で(1枚目の《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》からすべてのカウンターを奪い、倍にすることで)ほとんど常に、少なくても20個のカウンターを乗せることができ、そして次のアップキープでゲームに勝つことができる。
デッキの残りは、2つのことに注力している。+1/+1 カウンターを乗せるクリーチャーと、 +1/+1 カウンターのクリーチャーをサポートするランプだ。《飢餓ハイドラ/Hungering Hydra》と《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》のようなカードは、重要なことを2つする。1つ目は、大量のカウンターを乗せて《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》がそのカウンターを奪って倍にするために、蛙コンボをサポートする助けになる。2つ目は、もし2ターン目に《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》が着地できれば、プレイするクリーチャーのほとんどすべてで、自然にカウンターをこのエンチャントに加えることになるので、《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》で勝つ道筋になる。公平に(《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》無しで)20個得ることはちょっと時間が掛かるが、最終的には起こることになる。このカード自体に関して言うと、《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》はランプ、カードを引いて重要なコンボパーツを見つける、何ライフか得て生き延びるという計画に良く合っているが、《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》以外で《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》にカウンターを増やす最速の方法でもある。
3マナ域は《秋の騎士/Knight of Autumn》と《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》で、どちらも戦場に入ったとき +1/+1 カウンターを2つ得て《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》をサポートできるが、両方とも追加のユーティリティも持っている。《秋の騎士/Knight of Autumn》は、ラヴニカの献身のスタンダードでは驚くほど優れている。攻撃的で大量にダメージが届くカードが入っているデッキに対しては、妥当なライフを回復するし、強力なアーティファクトか《荒野の再生/Wilderness Reclamation》のような強力なエンチャントをプレイすることに対しては、鍵であるアーティファクトかエンチャントを壊すことができるからだ。それ以外では、複数のカウンターを乗せてマナ・カーブの上にある 4/3 になり、《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》で盗むことができる。一方《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》は、デッキを探検し続けることで、土地をプレイしたりデッキを掘って《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》を見つけて +1/+1 カウンターの対価を得ることを保証してくれる。
《楽園党の議長、ゼガーナ/Zegana, Utopian Speaker》と《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty》は、メインである《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》計画とも良く働く、バックアップの計画になる。《楽園党の議長、ゼガーナ/Zegana, Utopian Speaker》は最終的に4つのカウンターを乗せて 8/8 になり、+1/+1 カウンターが乗っているすべてのクリーチャー(このデッキではとてもたくさんのクリーチャー)にトランプルを付け、もし《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》計画で何かが間違うと、対戦相手のブロッカーをすり抜けて攻撃することで勝つことができる。一方《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty》は他の +1/+1 カウンターのクリーチャーを守り、《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》コンボのために生き延びることを確実にする。そしてもし十分なマナがあれば、この天使を使って +1/+1 カウンターを全クリーチャーに乗せることで、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》を成長させる優れた方法になる。
最後はランプのセットだ。《培養ドルイド/Incubation Druid》はこれ自体で素晴らしいランプカードだが、《新たな地平/New Horizons》があると、3ターン目にタダで +1/+1 カウンターを置くことで、より優れたカードになる。この2枚の組み合わせによって、巨大な《飢餓ハイドラ/Hungering Hydra》と《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》へランプし、大量のカウンターを《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》に乗せることが簡単になる。《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》の「クリーチャーにカウンターを乗せる」能力を大量の回数起動することもでき、これによって成長カウンター20個を得る有効なバックアップ計画となり、対戦相手の観点から戦闘を台無しにすることができる。加えて、両方のカードとも +1/+1 カウンターを置くことで《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》と働く。一方《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》はただのデッキのスピードアップで、1ターン目に何かすることを与えてくれる。
締めは1枚の《有事の力/Emergency Powers》だが、おそらくこのデッキに入れるべきではなかった。アイデアは、すべての高速のマナで手札を処分し、《有事の力/Emergency Powers》で新たに7枚引いて、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》や《早駆けるトカゲ蛙/Galloping Lizrog》のような何かをタダで場に出し、その後で《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で勝ちに行くというものだ。しかし実際には、このカードを唱えることは無く、積極的なデッキに対して大抵サイドアウトしていた。
対戦
《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》の対戦という点で主な懸念は、対戦相手がメインデッキで《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》自体に対処があるかどうかだ。《荒野の再生/Wilderness Reclamation》のせいで、《屈辱/Mortify》や《秋の騎士/Knight of Autumn》のようなカードが多くのメインデッキで見られ、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》、各種ヴラスカ、《ビビアン・リード/Vivien Reid》、《一瞬/Blink of an Eye》のような適当なカードさえある。《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》にカウンターを20個得るのにたくさんのことをするのに、対戦相手にはたった少しのマナで対処するのは、ひどいことだ。他の部分は、高速アグロが懸念になりうる。理論的には、《秋の騎士/Knight of Autumn》でライフを得ることは助けになるが、もし高速にランプする手札であれば、その上を行くことができる。しかし12枚の《稲妻の一撃/Lightning Strike》とライフレースをしようとするよりは、もっと遅いミッドレンジとコントロールと戦うほうがずっと良い。
勝率
概して《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で6回対戦して4回勝ち、マッチでは勝率 66.7% という良い結果だった。ゲームでは、13ゲーム中9ゲーム勝ち、勝率 69% だった。この結果は、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》は Againt the Odds のデッキとしては平均より上である。《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》自体に関しては、このエンチャントで直接3回ゲームに勝ったが、《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》でゲームに勝てなくても(対戦相手がこのエンチャントを破壊できる、というのが非常に大きな理由だ)、対戦相手に独特な方法でプレッシャーを与える良い仕事をする。《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》の最大の長所には、対戦相手にこのエンチャントを心配させることだ。単にクリーチャーに回答をしても、ゲームに勝つには十分ではない。速かれ遅かれ、最終的に20個のカウンターを得て、勝利を奪ってしまうからだ。このプレッシャーによって、対戦相手はいつもと違うプレイをさせられるので、たとえ《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》で勝利に届かないゲームであっても、まだ有益だ。
来週のデッキの候補
ラヴニカの献身はここにある! 新しい「あなたはゲームに勝利する」」カードをプレイした今、次にプレイすべきすてきなラヴニカの献身のカードなどれかな? 下で投票して教えてくれ!
(おわり)