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【翻訳】ロンドン・マリガン(モダン)(後編)

原文

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ロンドン・マリガンの矛盾

高速で直線的なコンボデッキと対策に満ちたサイドボードの問題は、ロンドン・マリガンの矛盾である。ゲームにならないゲーム数を減らすようにデザインされたルールは、実際はモダンでは大きく増やす可能性がある。スタンダードとリミテッドでゲームにならないのは、主にマナベースから来る自然な不安定性である。ときどき全部土地(か、土地が無い)手札になり、何回かマリガンをしてこれを繰り返し、結局そんなに機能しない5枚の手札となり、完全に勝てるような気がしないゲームが始まることを知ることになる。逆にモダンでは、《信仰無き物あさり/Faithless Looting》や《古きものの活性/Ancient Stirrings》や《血清の幻視/Serum Visions》のようなキャントリップに加え、数枚の土地しか必要なくても、最低限準最適化で機能する効果的なデッキのおかげで、自然な不安定性によってゲームにならないゲームはあまり起こらない。モダンでゲームにならないゲームになる最もありそうなことは、フォーマットの幅広さ、コンボデッキのスピード、サイドボードの強力さから来ている。ドレッジをプレイしていて、対戦相手が0ターン目に《虚空の力線/Leyline of the Void》を置くことは、5枚にマリガンしてゲームにならないことと全く関係ない。ドレッジと対戦していて、メインデッキに墓地対策が無いことは、5枚の手札で始めてゲームにならないこととほとんど関係ない。ある意味、君が(対戦を)コントロールできることを超えた何かのせいで、ゲームに勝つチャンスが10%で始まり、実際にする決定はほんの少ししかないように感じられるということだ。

基本的に2015年のウィザーズ自身の考察とコミュニティの同意によると、ロンドン・マリガン・ルールは、モダンで最も問題であり、最もつまらない側面の2つを強力にし、特定のカードやデッキが直接ルールを悪用できることを考慮されていなさそうである。(実際《均衡の復元/Restore Balance》や《罠の橋/Ensnaring Bridge》のような、手札に少ししか欲しくない最も使われるカードやコンボは、対戦相手を完全にゲームをできなくさせて勝つことが起こる)

そういう訳で、ロンドン・マリガン・ルールは、スタンダードとリミテッドではゲームにならないゲーム数を減らすことに大いに役に立つに違いないが、モダン(と、そこまででなないが他の古いフォーマット)は正反対になるかもしれない。

ロンドン・マリガンの未来

 さて、こういったことはすべて破滅と隠滅であるように聞こえるかもしれないが、実際はそうではない。覚えているだろか。ロンドン・マリガン・ルールは、いくつか可能性がある成果を出すただのテストであることを。1つは、ミシック・チャンピオンシップ・ロンドンでのテストの結果で、このルールが適用されない可能性がある。もしトーナメントが2ターンキルに支配され、フューチャーマッチが、ゲームをさせない対策カードのために4枚にマリガンすることでめちゃくちゃになるなら、ウィザーズは単にその実験を打ち切るだけの可能性がある。2つ目に、同意の視点は間違っていて、このルールはモダンのデッキとカードに全然インパクトが無い可能性である。多分だれもこのルールを悪用して、コンボの実行を容易にしたり、コンボを打ち消す対策カードを見つけ易くする構築を見つけ出せていないだろう。そして現在のマリガンルールでも、結局多かれ少なかれ同じようにマリガンをしている。3つ目は、ウィザーズはロンドン・マリガン・ルールがモダンを傷つける可能性があることが分かっていて、積極的な禁止かモダン・ホライゾンで投入する新しいカードの助けで、この問題を修正する計画があることだ(大穴として、《意志の力/Force of Will》がモダン・ホライゾンで入るというものだ。このカードはすぐにでもモダンをレガシーのようにし、縮退した高速なコンボに対する無コストの回答になるだろう)。

 逆に恐ろしい理屈もある。それは、ウィザーズが単純に Arena にないフォーマットについては全然注意を払わないというものだ。とても多くの人達は、ロンドン・マリガン・ルールはスタンダードとリミテッド(この2つは、Arena の主なフォーマットだ)で優れていることを認めているので、古いフォーマットの結果に関係なく導入されるだろう。ウィザーズが配信のアナウンスで明らかにしていることには、異なるフォーマットで異なるマリガン・ルールがあることには興味が無く、ロンドン・マリガンは導入するかしないかのどちらかということだ。スタンダードとリミテッドと Arena は現在ウィザーズの主な関心であるので、そのフォーマットで最適なことがウィザーズの決定を進める指針となるという考えは、全然お電波ではない(少なくても多くの点で、そうに違いない)。

とはいっても、もしミシック・チャンピオンシップ・ロンドンでのテストが、新しいルールがモダンの大部分を定義し、エターナルフォーマットでもそうである可能性があるとしたら、ウィザーズが少なくてもローテーションが無いフォーマットについて古いルールを保とうとするアイデアを開いているとしたら、素敵なことだろう。2つのマリガン・ルール、つまり Arena 用とローテーションの無い紙と Magic Online 用があることは、Arena の主なフォーマットはサイドボードが無く、ローテーションの無い紙と Magic Online ではサイドボードがあることと比べると、ずっとずっとはるかに混乱を招くよなことではないように思うからだ。特に Arena の1ゲームマッチのスタンダードと地元の3ゲームマッチのスタンダード間の両方をまたがるよりは、スタンダードとモダンの両方にまたがるほうが少ないことを考えるとだ。

 総括

それで、ロンドン・マリガン・ルールに関しての着地点はどこだろうか? 現時点では、俺は最悪を予想しながら最高を望んでいる。モダンが、マリガンテストが真のテストとなり、ミシック・チャンピオンシップ・ロンドンがルールを導入するかどうかを定義する、壮大な計画として十分重要であると俺は信じたい。しかし現時点では、ウィザーズが「Magic にとって最高なこと」を「Arena にとって最高なこと」という意味だと考えている、という感覚を揺るがすのは難しい。つまり、とてもたくさんの人達は、ロンドン・マリガン・ルールはスタンダードとリミテッド(つまり Arena)にとって優れていると認めているから、このルールはミシック・チャンピオンシップ・ロンドンの結果とは関係なく導入されるということになる可能性があるということだ

そうは言ったが、俺は6週間後のミシック・チャンピオンシップ・ロンドンに、信じられないくらいわくわくもしている。最近1~2年(ウィザーズがセットのリリース後すぐにではなく、6週間後にプロツアー / ミシック・チャンピオンシップに変えたときから)、プロツアーはとても退屈になった。Magic 自体は素晴らしいが、デッキは知れ渡り、新しく奇妙なローグデッキが見られフォーマットを壊すことに関しては、全然興味をそそらない。多くの点で、ミシック・チャンピオンシップ・クリーブランドは、モダンというフォーマットがアナウンスされた後わずか数か月で開催した、プロツアー・フィラデルフィア以来、最もわくわくしたモダンのイベントだった。誰も何も予想できず、長い間久しぶりに、誰も知らない(か、少なくてもまだ知られていない)デッキで本当に誰がフォーマットを壊すかチャンスがあるように感じられた。ロンドン・マリガン・ルールのテストは、ミシック・チャンピオンシップ・ロンドンを、どんな Magic のファンにとってもテレビに釘付けにさせ、たとえロンドン・マリガン・ルールが(公式のルールにならないか、モダンを壊すかで)ひどい失敗になっても、最悪でも、すごくわくわくするプロツアーとなり、勇敢な新しい Magic の eスポーツの世界において、何もないということは無い。

(おわり)