【翻訳】Against the Odds:荒野への扉(モダン)
原文
やぁ、みんな。第182回目の Against the Odds へようこそ。先週 Against the Odds の投票では、《ブービートラップ/Booby Trap》が一握りの得票差で《空虚への扉/Door to Nothingness》を破った。「じゃあ、なんで《空虚への扉/Door to Nothingness》デッキをプレイしているの?」 俺は君達のそんな疑問を聞いた。その答えは、《ブービートラップ/Booby Trap》が現在、Magic Online でバグっているからだ(なんか、「基本土地以外のカードを選択する」が、「基本では無い土地を選択する」になっている)。そういう訳で2位だったとしても、《空虚への扉/Door to Nothingness》が勝利を宣言した。
Magic Online のバグのせいで、勝利したカードをプレイできなかったことはちょっと嫌だが、実は良いことかもしれない。ラヴニカの献身で、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》という、《空虚への扉/Door to Nothingness》キルをサポートする完璧なカードがあるからだ。《荒野の再生/Wilderness Reclamation》が戦場にあると、必要なことは各色の土地1枚だけになる。その後エンドステップに、マナを溜めた後土地がアンタップすることで、《空虚への扉/Door to Nothingness》を起動するのに必要なダブル白青黒赤緑マナを得ることになり、対戦相手を負けさせることができる(ある理由で《覆滅+複製/Repudiate+Replicate》が無いと仮定しているが…)。《荒野の再生/Wilderness Reclamation》が刷られたことで、モダンで《空虚への扉/Door to Nothingness》を正当な勝利条件にすることができるのか? 動画に行って見つけ出そう。その後でこのデッキについてもっと話をしよう!
動画
荒野への扉
- メイン
土地 | ||
1 | 《血の墓所/Blood Crypt》 | |
1 | 《湿った墓/Watery Grave》 | |
2 | 《繁殖池/Breeding Pool》 | |
1 | 《鮮烈な小川/Vivid Creek》 | |
1 | 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》 | |
2 | 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 | |
1 | 《寺院の庭/Temple Garden》 | |
1 | 《沼/Swamp》 | |
1 | 《廃墟の地/Field of Ruin》 | |
3 | 《汚染された三角州/Polluted Delta》 | |
1 | 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 | |
1 | 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 | |
2 | 《島/Island》 | |
1 | 《伐採地の滝/Lumbering Falls》 | |
1 | 《蒸気孔/Steam Vents》 | |
1 | 《草むした墓/Overgrown Tomb》 | |
1 | 《森/Forest》 | |
プレインズウォーカー | ||
2 | 《ラル・ザレック/Ral Zarek》 | (2)(青)(赤) |
ソーサリー | ||
4 | 《瞬間の味わい/Savor the Moment》 | (1)(青)(青) |
クリーチャー | ||
4 | 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》 | (1)(青) |
エンチャント | ||
4 | 《荒野の再生/Wilderness Reclamation》 | (3)(緑) |
インスタント | ||
3 | 《差し戻し/Remand》 | (1)(青) |
4 | 《成長のらせん/Growth Spiral》 | (緑)(青) |
3 | 《致命的な一押し/Fatal Push》 | (黒) |
1 | 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》 | (黒)(緑) |
1 | 《青の太陽の頂点/Blue Sun's Zenith》 | (X)(青)(青)(青) |
4 | 《謎めいた命令/Cryptic Command》 | (1)(青)(青)(青) |
アーティファクト | ||
1 | 《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》 | (3) |
4 | 《空虚への扉/Door to Nothingness》 | (5) |
- サイドボード
1 | 《突然の衰微/Abrupt Decay》 | (黒)(緑) |
1 | 《古えの遺恨/Ancient Grudge》 | (1)(赤) |
2 | 《滅び/Damnation》 | (2)(黒)(黒) |
1 | 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 | (1)(青) |
2 | 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 | (X) |
1 | 《否認/Negate》 | (1)(青) |
1 | 《流刑への道/Path to Exile》 | (白) |
1 | 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》 | (2)(緑) |
3 | 《貪欲な罠/Ravenous Trap》 | (2)(黒)(黒) |
2 | 《外科的摘出/Surgical Extraction》 | (黒/Φ) |
デッキ
俺が《ブービートラップ/Booby Trap》ではなく《空虚への扉/Door to Nothingness》で構築することが分かったとき、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》が基本的にモダンで勝つことを可能にするチートカードであるので、すぐに焦点を合わることにした。《空虚への扉/Door to Nothingness》を使った構築で最大の問題は、遅いということだ。本当に、本当に遅いんだ。起動するために 10 マナ(5色)という大量のマナが掛かるだけでなく、戦場にタップインもする。だからたとえ何とかして 15 マナを使えるようにしても、他の助けが無いと、1ターンで全部することはできない。そういう訳で、このデッキの主な目的は、《空虚への扉/Door to Nothingness》を起動する十分なマナ(と正しい色マナ)を得るのと同時に、対戦相手をゲームに負けさせるまで十分長く生き残ることだ。
《空虚への扉/Door to Nothingness》はとても単純だ。大体 100万 マナくらいが必要である。しかし起動させることができれば、(対戦相手をゲームに負けさせることで)一撃でゲームに勝つ。ありがたいことに、《空虚への扉/Door to Nothingness》で勝つ過程をスピードアップする助けるトリックが、複数ある。
《空虚への扉/Door to Nothingness》自体から離れると、このデッキで最も重要なパーツは《荒野の再生/Wilderness Reclamation》だ。このトリックは実際、スタンダードで《運命のきずな/Nexus of Fate》デッキがしていることととても良く似ている。ターンを渡してエンドステップに、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》のアンタップの誘発能力で、マナを全部溜める。アンタップで再度土地をタップでき、効果的にマナを倍にできる。《空虚への扉/Door to Nothingness》はインスタント・スピードで起動できるので、エンドステップでマナを倍にすることと、完璧な勝利条件となる。つまりもし《荒野の再生/Wilderness Reclamation》があれば、《空虚への扉/Door to Nothingness》で勝つには、戦場に5枚しか土地が必要ない。理論的には、2ターン目に何かでランプし、3ターン目に《荒野の再生/Wilderness Reclamation》をプレイし、4ターン目に《空虚への扉/Door to Nothingness》をプレイすると、5ターン目にゲームに勝つことができる!
《空虚への扉/Door to Nothingness》と《荒野の再生/Wilderness Reclamation》の先には、主計画をサポートする他のコンボパーツが複数ある。《ラル・ザレック/Ral Zarek》はおそらく奇妙に見えるだろうが、本当に重要なことを1つする。《空虚への扉/Door to Nothingness》のアンタップだ。扉で倒す大きな困難なことには、タップインすることで、たとえ《荒野の再生/Wilderness Reclamation》が複数枚あり制限なくマナがあっても、ゲームに勝つには後1ターン待たなければならない。《ラル・ザレック/Ral Zarek》はおそらくこれを解決する。彼の +1 で《空虚への扉/Door to Nothingness》をアンタップでき、ターンを渡さずに勝つことができるからだ。一方《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》はたった1枚だが、《空虚への扉/Door to Nothingness》を起動する正しい色を確実に得るようにする助けになる。主な計画はフェッチランドの束と8枚のショックランドを使って、必要なマナを得ることだが、《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》があることで、ランプ呪文のバックアップとして働きながら、マナがひどい場合でも安全弁になる。
ランプに関して言うと、《瞬間の味わい/Savor the Moment》と《成長のらせん/Growth Spiral》で《荒野の再生/Wilderness Reclamation》と《空虚への扉/Door to Nothingness》に加速できる。《成長のらせん/Growth Spiral》はとても直線的だ。1枚カードを引いて、場に1枚土地を出すことができる。《瞬間の味わい/Savor the Moment》をランプ呪文と考えることは変に思うかもしれないが、大抵はそうなる。ゲーム序盤では、単純に3マナで唱えてもう1ターンを得て、そのターンをもう1枚土地を出すことに使う。そして《瞬間の味わい/Savor the Moment》は本質的に、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》の高コスト版だで悪いカードだ。逆に《瞬間の味わい/Savor the Moment》は、戦場に《荒野の再生/Wilderness Reclamation》があると多くの長所がある。3マナで追加のターンを得ることは素晴らしいが、問題はアンタップしないということであり、普通のターンより使えないということだ。しかしながら、もし戦場に《荒野の再生/Wilderness Reclamation》があれば、エンドステップにすべての土地がアンタップするので、《瞬間の味わい/Savor the Moment》が持つ「アンタップフェーズを飛ばす」の欠点をすごく小さくし、本物の追加ターン呪文と非常に近くなる!
他のカード
《謎めいた命令/Cryptic Command》と《差し戻し/Remand》は、対戦相手の呪文を打ち消すことでゲームを遅くする助けになると同時に、両方とも1枚カードも引けるので、デッキをかき回す助けにもなる。《荒野の再生/Wilderness Reclamation》をメインフェーズに唱え、エンドステップに土地を全部アンタップし、その後対戦相手のターンの間、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》と《空虚への扉/Door to Nothingness》を守るために打消し呪文で蹴散らせておけるので、両方とも本当に《荒野の再生/Wilderness Reclamation》と良く働く。一方《謎めいた命令/Cryptic Command》は、対戦相手のクリーチャーをすべてタップさせることで、一種の超フォグとなる長所もあり、《空虚への扉/Door to Nothingness》で勝つのに必要なマナを編み出すために、1~2ターンを買う素晴らしい手段であり、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の助けがあるとさらに素晴らしくなる。
このデッキにとって、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》には超特別な目的なんて何もないが非常に強力で、《謎めいた命令/Cryptic Command》を連続で使って複数ターン対戦相手をタップさせたり、《差し戻し/Remand》でゲームテンポを損なせたり、《成長のらせん/Growth Spiral》でランプしたりといった、墓地にある強力な呪文をすべて再利用できる。《瞬間の味わい/Savor the Moment》も、追放しない(し、ライブラリに戻らない)稀な追加ターン呪文であるので、素晴らしい。つまり《瞬間の味わい/Savor the Moment》を唱え、その後《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でフラッシュバックすると、時々連続でターンを得ることができるということだ。
最後に《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》と《致命的な一押し/Fatal Push》は、対戦相手の脅威に対処する少しの除去である。《致命的な一押し/Fatal Push》はゲーム序盤で素晴らしく、モダンで比較的脅威の大半を倒すことができる。《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》は多くの柔軟性があり、対戦相手にランプをさせてしまうという欠点はあるが、プレインズウォーカー、嫌なアーティファクト、ウルザランドでさえ壊すことができる。両方とも、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》と《空虚への扉/Door to Nothingness》が戦場に出るまで長く生き残り、(対戦相手をゲームに負けさせることで)ゲームに勝つ助けになる。
対戦
荒野への扉デッキの対戦を理解することは、本当にトリッキーだった。おそらく一番厳しい対戦は攻撃的なクリーチャーデッキだ。たくさん除去は無く、主な勝利条件はとても遅いからだ。ズー、マーフォーク、バーンのようなデッキに対しては、ゲームの終盤になる前に、簡単に轢き殺される。逆に遅いデッキに対しては、《空虚への扉/Door to Nothingness》でゲームに勝つ機会を見つける前に、対戦相手を単に価値とマナで圧倒できる。他の懸念は、対戦相手がデッキに何の除去が入っているかだ。アーティファクト破壊は壊滅的だ。《空虚への扉/Door to Nothingness》はタップ状態で場に入るので、もし《》のような何かを持っていると、デッキ名のカードを使って対戦相手を負けさせる期間が無いし、5マナと1~2マナの除去呪文と交換することは、ひどいテンポ損だ。基本的に除去と打消しは、大半のデッキに対して少なくてもある程度のチャンスはあるが、高速のアグロの構築よりは、より遅いコントロールデッキに対して対戦したい。
勝率
概して、6回対戦して3回勝ち、勝率は 50% だった。ゲーム別では、12ゲーム中ゲーム勝ち、勝率は 50%だった。この結果は、荒野への扉は Against the Odds では大体平均ということだ。一般的には、対戦相手を一方的に倒すか倒されるかで、それは対戦に依る(実際、すべての対戦は 2-0 で勝つか負けるかだった)。
もっと重要なことは、《空虚への扉/Door to Nothingness》自体は素晴らしく、対戦相手を直接負けさせるかゲームに負けさせる前に倒すかで、このアーティファクトは勝ちにとてもたくさん寄与したことだ。遅さは問題になりうるし、ある対戦では轢き殺されたが、マナは思っていたより大抵良く働いた(色マナを1回間違えて、ホロウワンに対して勝てるゲームに負けたが)。そして《荒野の再生/Wilderness Reclamation》によって、《空虚への扉/Door to Nothingness》は驚くほど簡単にゲームに勝てる。扉は高コストで遅いので、モダンでまだトップTierに開いていないが、もし「《空虚への扉/Door to Nothingness》で勝った」という表彰バッチが欲しいなら、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》がその道だ!
来週の候補
明らかにみんなは神河が大好きで、Mark Rosewater が、プレイヤーはどの次元に戻りたいかという投票を行ったところ、神河がトップ近くだった(ローウェン/シャドームーアに次いで2位)。個人的に、俺は神河は力不足であり、多分悪いとさえ思っているが、その力不足で悪いというのは、Against the Odds にとって完璧だということだ。来週は、どのジャンキーな神河ブロックのカードを使って構築すべきかな? 投票して教えてくれ!
(訳注:なぜか青のカードだけ日本語の画像がありませんでした)
(おわり)