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【翻訳】ローテーションはスタンダードを修正するか?

金魚恒例の月曜クソ長記事です。


原文:

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この時点で、スタンダードの最近の年、つまり基本セット2020から基本セット2021は、ほぼ月次に近い禁止、メタゲームの40%以上(70%であることもあった)を占めるデッキ、ソリティアのコンボ、壊れたカードなど、マジック史上スタンダードにとって最悪の1年となったことは、多かれ少なかれ同意されていることだろう。しかしながら、スタンダードの最良の側面には(そしてほぼ間違いなく、もっと頻繁に起こるはずのスタンダードの側面もあるが、それは別の日に別の記事としよう)、フォーマットは最終的にはローテーションされ、たとえどんなにカードやデッキが支配的であっても、遅かれ早かれこの支配は終焉を迎えることになる。

次のスタンダードのローテーションは、ゼンディガーの夜明けがリリースされる9月に起こり、ラヴニカの両セット、灯争大戦、基本セット2020はフォーマットを去ることになる。灯争大戦が最大のインパクトがあったスタンダードのセットだったことを考えると(特にエルドレインの王権の大半の壊れたカードは禁止になったことを考えると)、9月のローテーションがスタンダードを修正するという期待がある程度ある。そういう訳で、今日の計画は、トップデッキとカードを見て、どの程度インパクトの大きさがあるか定義することだ。

もちろん、この分析には1つ大きな注釈が伴う。ウィザーズがゼンディガーの夜明けで何を刷るのか分からないことだ。今のところ、ウィザーズが「(もし戻って来るなら)上陸を確実にプレイされるようにする」という見当違いの哲学の下で、《成長のらせん/Growth Spiral》かもっと強力な *(見せられないよ)* か何かを再録することも完全にあり得ないことではないが、《成長のらせん/Growth Spiral》がフォーマットを去ることは、スタンダードのプレイヤーにとって巨大な勝利であるように見える。だから今日の焦点は、スタンダードを去っていくカードとローテーションされないカードプール(エルドレインの王権、テーロス還魂記、イコリア、基本セット2021)にある、すでに有益な代替にある。フォーマットで一番プレイされたカードから見ていこう。その後デッキに移ろう。

動画

youtu.be

最もプレイされたカードトップ 50

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注:フォーマットごとの最もプレイされたカード 50 やさらなる情報は、format staples page で見られます。

実際には、見た目よりも数字が多くなっているが、最もプレイされたカード 50 枚のうち、20 枚は9月にフォーマットを去っていくことになる。何枚かのカード(《強迫/Duress》、《選択/Opt》、《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》、《否認/Negate》)は、本質的に常にスタンダード合法であり、ローテーションされることが無いくらい頻繁に再録されるので、おそらくカウントすべきではないからだ。こういったカードを除くと、50枚の半分弱が、9月に去ることになる。

しかしながら、最もよくプレイされたクリーチャートップ 50 だけ見ると、この表はちょっと楽観的では無くなる。50 枚のクリーチャーのうち 、19 枚は9月にローテーションすることになる。逆に、非クリーチャートップ 50 のうち 24 枚はローテーションされ、《否認/Negate》と《強迫/Duress》を除くと、半分よりちょっと多い。

全体として、この数字は、スタンダードは確かに9月には変わるが、最もプレイされているカードは、ローテーションされるグループとスタンダードに残るグループとで、比較的均等に分割されているが、若干ローテーションされないグループが多い、ということを示唆している。一見すると、これは悪いニュースに見えるだろう。スタンダードは、古い間もなくローテーションされるセットからのテーマやメカニズムを中心に構築されているカードやデッキによって支配されているのではない。しかしながら、多くの点において、ローテーションされる特定のカードが、ローテーションされるカードの数より、もっとずっと重要である。つまり、1枚のキーとなるカードがローテーションされるだけでも、デッキは存在できなくなることを意味する。だから、フォーマット定番カードのリストを超えて、最もプレイされたデッキを1つずつ見ていく必要がある。

デッキ

バントランプ

  • メイン
Planeswalker
3 世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World {3}{G}{G}
2 精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon {8}
4 時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler {1}{W}{U}
Land
4 寓話の小道/Fabled Passage  
4 繁殖池/Breeding Pool  
2 豊潤の神殿/Temple of Plenty  
2 島/Island  
1 神秘の神殿/Temple of Mystery  
3 ケトリアのトライオーム/Ketria Triome  
1 神聖なる泉/Hallowed Fountain  
2 森/Forest  
2 平地/Plains  
3 啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment  
4 寺院の庭/Temple Garden  
Instant
4 成長のらせん/Growth Spiral {G}{U}
2 霊気の疾風/Aether Gust {1}{U}
Enchantment
3 エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death {3}{W}{W}
2 サメ台風/Shark Typhoon {5}{U}
Creature
2 ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis {X}{G}{U}
4 自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath {1}{G}{U}
3 ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル/Jolrael, Mwonvuli Recluse {1}{G}
  • サイドボード
1 霊気の疾風/Aether Gust {1}{U}
3 ドビンの拒否権/Dovin's Veto {W}{U}
2 夢さらい/Dream Trawler {2}{W}{W}{U}{U}
3 ガラスの棺/Glass Casket {1}{W}
3 神秘の論争/Mystical Dispute {2}{U}
2 漁る軟泥/Scavenging Ooze {1}{G}
1 サメ台風/Shark Typhoon {5}{U}

ローテーションされるキーとなるカード:《成長のらせん/Growth Spiral》、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》、《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》、《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》

多分最も重要なデッキから始めよう。バント・神話レアデッキ / バントランプだ。過去数か月に渡って、現在のスタンダードでのランプの力について多くのことが成され、(大きな欠点が無い)高速マナへどれだけ簡単にアクセスできるかが最大の課題になっていた。ローテーションはこの課題を修正するか? 確かなことを言うのは難しい。しかし俺は YES のほうに傾いている。《成長のらせん/Growth Spiral》と《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》は、時折共犯者である《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》と共に、9月にローテーションされる。一方で、《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》は残り、《耕作/Cultivate》のような力が劣った代替のランプ呪文がまだ残る。

多分ランプの戦略が現在のスタンダードで支配的である最大の理由は、ランプ呪文がランプだけでなく、追加のカードアドバンテージも産み、(《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》のような)ランプのフィニッシャーが、巨大な脅威というだけでなく、カードを引くこともできるからだ。その結果、バントランプのようなデッキに行動がなくなるということがほとんどあり得ないことになる。過去には、ランプデッキの主な課題は、ドローがすべて《耕作/Cultivate》と《不屈の自然/Rampant Growth》でありフィニッシャーを引かないか、ドローがすべてフィニッシャーで《耕作/Cultivate》や《不屈の自然/Rampant Growth》を引かないかで、ときどき自分自身に負けていたことだろう。《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》がフォーマットに残ることは心配だが、《成長のらせん/Growth Spiral》と《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》がローテーションすると、構築は少なくてもほんのちょっと妥当になり、このアーキタイプにとって伝統的な感染しているいくつかの課題に向き合わなければならなくなりそうに見える。

俺の推測では、ローテーション後のスタンダードでもランプ戦略はまだ存在する。《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》をプレイしないには強力すぎるし、代替のランプ呪文もあるし(《ニッサ》と《成長のらせん/Growth Spiral》よりはかなりパワーが劣るが)、《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》もまだ素晴らしいフィニッシャーだ。しかし望むなら、このデッキはかなり安定性が下がり(《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》を失うので、干渉がずっと簡単になる)、「フォーマット最高のデッキ」から「しっかりとした Teir2 の選択肢」という状態に押し下げるかもしれない。4~5ターン目に8枚の土地が安定してある(そしてカードがいっぱい握られている)対戦相手の時代に対処した後では、スタンダードのプレイヤーにとって、巨大な勝利になるだろう。

赤単アグロ

  • メイン
Land
4 エンバレス城/Castle Embereth  
18 山/Mountain  
Instant
1 ショック/Shock {R}
Creature
2 ブリキ通りの身かわし/Tin Street Dodger {R}
4 砕骨の巨人/Bonecrusher Giant {2}{R}
1 リムロックの騎士/Rimrock Knight {1}{R}
4 義賊/Robber of the Rich {1}{R}
4 遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin {1}{R}
4 焦がし吐き/Scorch Spitter {R}
4 鍛冶で鍛えられしアナックス/Anax, Hardened in the Forge {1}{R}{R}
4 熱烈な勇者/Fervent Champion {R}
2 朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell {1}{R}{R}{R}
Artifact
4 エンバレスの宝剣/Embercleave {4}{R}{R}
  • サイドボード
3 エンバレスの盾割り/Embereth Shieldbreaker {1}{R}
2 溶岩コイル/Lava Coil {1}{R}
3 レッドキャップの乱闘/Redcap Melee {R}
2 焦熱の竜火/Scorching Dragonfire {1}{R}
2 無頼な扇動者、ティボルト/Tibalt, Rakish Instigator {2}{R}
3 解き放たれた狂戦士/Unchained Berserker {1}{R}

ローテーションされるキーとなるカード:《焦がし吐き/Scorch Spitter》、《舞台照らし/Light Up the Stage》、《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》

赤単アグロは、見た目にはスタンダードに常にいるデッキだ。だからたとえ《舞台照らし/Light Up the Stage》と《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》という本当に強いカードを複数枚失っても、ある形から別の形へと存在することは安全なように見える。《エンバレスの宝剣/Embercleave》と《鍛冶で鍛えられしアナックス/Anax, Hardened in the Forge》はローテーションされないし、この2枚はこのデッキの根本だ。《エンバレスの宝剣/Embercleave》が合法である限り、高パワーのクリーチャーの群れで、人々をジャンクにするカードを中心としたデッキである。

ありがたいことに、たとえ赤単アグロが直近数週間である程度人気がでていても、現在のスタンダードでは圧倒的からはほど遠い。実際、アグロは最近本当に全然良くなく、《エンバレスの宝剣/Embercleave》はめったに楽しい経験にならないが、キーとなるカードがローテーションで残ることは、悲観的というより好意的だ。

黒単アグロ

  • メイン
Land
1 総動員地区/Mobilized District  
4 ロークスワイン城/Castle Locthwain  
19 沼/Swamp  
Instant
1 闇の掌握/Grasp of Darkness {B}{B}
Enchantment
4 悪魔の抱擁/Demonic Embrace {1}{B}{B}
Creature
4 漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion {B}
4 どぶ骨/Gutterbones {B}
3 悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks {2}{B}{B}
4 朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur {2}{B}
4 鋸刃蠍/Serrated Scorpion {B}
4 騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem {2}{B}{B}
4 黒槍の模範/Blacklance Paragon {1}{B}
  • サイドボード
1 はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmage {2}{B}
2 見栄え損ない/Disfigure {B}
4 強迫/Duress {B}
2 闇の掌握/Grasp of Darkness {B}{B}
4 害悪な掌握/Noxious Grasp {1}{B}
2 魂標ランタン/Soul-Guide Lantern {1}

ローテーションされるキーとなるカード:《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》、《どぶ骨/Gutterbones》、《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》、《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》

ほとんどのカードが残る赤単アグロとは違い、最高の1マナである《どぶ骨/Gutterbones》と《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》の2枚と、主要なフィニッシャーである《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》と《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》を失い、黒単アグロはローテーションで完全に崩壊する。さらに重要なことは、スタンダードのカードプールには、優れた有効な代替が無いことだ。その結果、黒単アグロは9月に暗礁に乗り上げるように見える。

とは言うものの、君が黒単アグロのファンであるなら、すべてを失うわけではない。アグロ / ビートダウンの計画はテーブルから退場するかもしれないが、フォーマットの第一線に上がる可能性がある黒単をプレイするという、他の方法がある。黒単信心はキーパーツのほとんどすべてを保っている。黒単サクリファイスはまだ、《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》、《魔女のかまど/Witch's Oven》、《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》、《悲哀の徘徊者/Woe Strider》があり、出来事ベースの騎士が《真夜中の騎士団/Order of Midnight》、《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster》、《幸運のクローバー/Lucky Clover》の力のおかげで戻って来る可能性さえある。

ビートダウンに焦点を当てた最高の1マナと3マナはローテーションされるが、黒はまだこういった枠に対して、非常にしっかりとしたアーキタイプ定番が何枚かある。君の計画が生け贄から価値を得ることなら、《鋸刃蠍/Serrated Scorpion》と《囁く兵団/Whisper Squad》はほぼ間違いなく《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》より優れているし、君の目標が黒への信心なら、《ロークスワインの元首、アヤーラ/Ayara, First of Locthwain》は《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》や《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》より強力だ。

基本的に、黒単アグロはローテーション後存在できそうにないように見えるが、黒単が死ぬのではなく、黒のデッキはゼンディガーの夜明けがリリースされると、ビートダウンからサクリファイス、信心、出来事のような何かへシフトしそうに見える。この時点では、どのアーキタイプがトップに躍り出るか言うのは不可能だが(おそらくサクリファイスが先頭を切るだろうが)、ある種黒単デッキは(少なくても黒偏重デッキは)、まだローテーション後も中心にいそうである。現在メタのトップ近くにある構築ではないが。

緑単ストンピィ

  • メイン
Land
20 森/Forest  
4 ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig  
Creature
2 水晶壊し/Gemrazer {3}{G}
4 クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner {1}{G}
4 恋煩いの野獣/Lovestruck Beast {2}{G}
4 生皮収集家/Pelt Collector {G}
4 探索する獣/Questing Beast {2}{G}{G}
3 漁る軟泥/Scavenging Ooze {1}{G}
4 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent {X}
4 樹皮革のトロール/Barkhide Troll {G}{G}
2 ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ/Yorvo, Lord of Garenbrig {G}{G}{G}
Artifact
2 グレートヘンジ/The Great Henge {7}{G}{G}
  • サイドボード
2 解き放たれた者、ガラク/Garruk, Unleashed {2}{G}{G}
2 水晶壊し/Gemrazer {3}{G}
3 原初の力/Primal Might {X}{G}
3 強行突破/Ram Through {1}{G}
1 漁る軟泥/Scavenging Ooze {1}{G}
4 変容するケラトプス/Shifting Ceratops {2}{G}{G}

ローテーションされるキーとなるカード:《生皮収集家/Pelt Collector》、《樹皮革のトロール/Barkhide Troll》、《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》、《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》

緑単ストンピィは、ローテーション後成功か失敗かを断定するには、一番難しいデッキかもしれない。一方で、優れた1マナと2マナの大半(《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》だけが生き残る)に加え、定番プレインズウォーカーである《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》がローテーションされ、他方で緑単ストンピィのフィニッシャーである《探索する獣/Questing Beast》、《水晶壊し/Gemrazer》、《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》に加え、《グレートヘンジ/The Great Henge》は生き残る。《解き放たれた者、ガラク/Garruk, Unleashed》は、4マナプレインズウォーカー枠として、《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》の代替に匹敵するかもしれない。

クリーチャーの代替に関しては、2マナ枠が有効だ。ゼンディガーの夜明けから追加の助けがなくても、《ヘンジの槌、ファレン卿/Syr Faren, the Hengehammer》、《僻境生まれの保護者/Wildborn Preserver》、《ネシアンの角甲虫/Nessian Hornbeetle》の組み合わせは、《樹皮革のトロール/Barkhide Troll》と《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》に匹敵する。逆に、1マナ枠は遺憾な点が多い。《生皮収集家/Pelt Collector》の最高の代替はおそらく《僻森の追跡者/Wildwood Tracker》、《苔のバイパー/Moss Viper》、《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》のような何かだが、どれも特にわくわくするものではない。緑単は、ゼンディガーの夜明けで優れた1マナを得ると有効だ。しかしそうでなければ、このデッキはアグロなスタートをサポートする1マナのために、他の色をタッチしなければならないかもしれない。

ジャンド・サクリファイス

  • メイン
Land
2 ロークスワイン城/Castle Locthwain  
4 草むした墓/Overgrown Tomb  
4 踏み鳴らされる地/Stomping Ground  
4 血の墓所/Blood Crypt  
4 寓話の小道/Fabled Passage  
3 森/Forest  
1 山/Mountain  
3 沼/Swamp  
Enchantment
4 パンくずの道標/Trail of Crumbs {1}{G}
Creature
2 冠滅ぼしのガドラク/Gadrak, the Crown-Scourge {2}{R}
4 大釜の使い魔/Cauldron Familiar {B}
3 忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods {1}{B}
2 真面目な身代わり/Solemn Simulacrum {4}
4 波乱の悪魔/Mayhem Devil {1}{B}{R}
4 金のガチョウ/Gilded Goose {G}
1 フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King {2}{B}{R}{G}
2 悲哀の徘徊者/Woe Strider {2}{B}
Artifact
4 魔女のかまど/Witch's Oven {1}
3 ボーラスの城塞/Bolas's Citadel {3}{B}{B}{B}
  • サイドボード
2 苦悶の悔恨/Agonizing Remorse {1}{B}
2 荒廃甲虫/Blightbeetle {1}{B}
2 初子さらい/Claim the Firstborn {R}
2 エンバレスの盾割り/Embereth Shieldbreaker {1}{R}
2 フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King {2}{B}{R}{G}
2 レッドキャップの乱闘/Redcap Melee {R}
1 漁る軟泥/Scavenging Ooze {1}{G}
2 真面目な身代わり/Solemn Simulacrum {4}

ローテーションされるキーとなるカード:《波乱の悪魔/Mayhem Devil》、《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》、《ボーラスの城塞/Bolas's Citadel》

ジャンド・サクリファイスはほとんどテーロス還魂記ベースのデッキだ。つまり、ローテーションで多くを失うことはない(し、《ボーラスの城塞/Bolas's Citadel》はこのデッキに最近追加され、伝統的にはデッキの成功に対して本質的でないことを考えると、さらに失うものは少ない)。《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》を失うことは痛いが、特に《悲哀の徘徊者/Woe Strider》が生け贄ができるバックアップとして存在するので、価値を破壊するモノには見えない。一方で、《波乱の悪魔/Mayhem Devil》を失うことは、ジャンド・サクリファイスにとって価値を破壊するモノになるかもしれない。カードプールには同様なパワーを持つ代替が無いし、次の最高の選択肢は、5マナの《騒乱の道化/Havoc Jester》(スタンダードでプレイアブルには見えない)と、《想起の拠点/Bastion of Remembrance》(伝統的な《血の芸術家/Blood Artist》より多くのことをするエンチャントだが、クリーチャーにダメージを飛ばすことができない)だ。

猫かまどと《悲哀の徘徊者/Woe Strider》とその仲間たちが、ローテーション後もフォーマットに残るという事実は、ある種のサクリファイスデッキが今年の秋も存在し続けそうということだが、《波乱の悪魔/Mayhem Devil》が無いと、ジャンドである十分な理由はあるのか? あるいは、トップになるのは他のスタイルのサクリファイスデッキなのか? 俺の推測では後者だ。《波乱の悪魔/Mayhem Devil》はジャンド・サクリファイスにとって、最高で一番重要なカードだ。このカードが無いと(あるいは代替が無いと)、誰もこのデッキに対して恐れる者はいないと考えている。クリーチャーを狙撃できる《血の芸術家/Blood Artist》を使えるというのは、巨大な、巨大なことなのだ。こいつがテーブルからいなくなると、黒単、黒白、あるいはアブザンにさえ行くことは、ずっととても魅力的になる。ローテーション後もサクリファイスデッキが存在するか? ほとんどそうだろう。サクリファイスデッキはジャンドか? 多分違う。

ティムール再生

(なぜかデッキリストが取り込めない)

ローテーションされるキーとなるカード:《荒野の再生/Wilderness Reclamation》(他に重要なものはない)

一般的なルールとして、デッキが1枚のカードにちなんで名付けられ、そのカードがローテーションされると、そのデッキにとって悪いニュースとなる。ティムール再生は《荒野の再生/Wilderness Reclamation》でマナを倍にするパワーに関するものがすべてであり、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》がフォーマットを去ると、このデッキは息絶えることになる。《発展+発破/Expansion+Explosion》と《夜群れの伏兵/Nightpack Ambusher》を失うことを加えると、このデッキが9月にどの程度死んでいるか、二重に明らかになる。マジックの神よ、ありがとう。

《荒野の再生/Wilderness Reclamation》の墓で踊る価値はあまりないが、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》のローテーションをさらにわくわくする部分は、9月が来ると、1年の多くを通してスタンダードを非常に悲惨にしていたマナを倍にする効果から、最終的に解放されることになることだ(これは同じくらい魅力的かもしれない)。《創案の火/Fires of Invention》はすでに禁止で終わりを迎えていて、《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》と《荒野の再生/Wilderness Reclamation》はローテーションする。

このことと、無益と不可能の間のどこかで干渉していた《成長のらせん/Growth Spiral》と各種灯争大戦のプレインズウォーカーを失うことが合わさり、俺はスタンダードのローテーション後の未来に最も期待している。俺はまだ、過去1年に渡るスタンダードの最大の問題は、とても幅広い差で、プレイヤーがいち早くマナをたくさん産みすぎることができることだと信じている。つまり、フォーマットで競争できるチャンスがあるというのは、自分もランプするか、フィニッシャーが着地する前にランプするプレイヤーをできるだけ倒すくらい積極的に行くか、のどちらかが必要だということであり、フェアなミッドレンジを完全にメタから追い出していることだ。《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》は俺も心配だが、ローテーション後のゼンディガーの夜明けのスタンダードは、多くの最悪の犯罪者から逃れるように見える。《創案の火/Fires of Invention》、《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》、《荒野の再生/Wilderness Reclamation》、《成長のらせん/Growth Spiral》、《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》。マナコストがふたたび問題になることで、俺にローテーションが本当にスタンダードを修正するという希望を与えてくれる。

もちろん、これはウィザーズがゼンディガーの夜明け自体で、同等の壊れたマナを倍にするカードやランプ呪文をで刷らない、という仮定が入っている。フォーマットをかろうじでプレイアブルな状態に保つために、大量の禁止をしなければならないことに繋がった過去1年に渡る絶え間ない不平が、ウィザーズが学んだ教訓になるが、この仮定には常にリスクがある。マナコストは重要だ。カラーパイは重要だ。初期手札の枚数は重要だ。可変性は重要だ。

過去1年はほぼ確実にスタンダード最悪の年であったが、一番問題のあったカードの多くは、9月にフォーマットを去ることになる。もしウィザーズが過去1年から何かを学び、その教訓を将来のセットへのデザインにできるなら(ゼンディガーの夜明けから始めてほしい)、スタンダードは角を曲がることが可能なように見える。あるいは多分、何も学ばず 10月を迎えると、ゼンディガーの夜明けでカードの束が禁止になることになる。今のところ、希望は残されているが、時間だけが教えてくれる。

まとめ

ともかく、今日はこれで全部だ。ローテーション後、スタンダードはどうなっていると思う? カードが去ることでフォーマットは修正されるのか? コメントで教えてくれ!