【翻訳】ラヴニカのギルド:スタンダードの眠れるカード達(前編)(スタンダード)
原文:
今のところ、ラヴニカのギルドはとても驚くばかりだ。《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》は支配から遠のき、赤系アグロは良いがフォーマットを壊していない。そしてゴルガリ・ミッドレンジは「ビート・ダウンするデッキ」レースの中では、序盤を飛び出してリードしているように見えるが、一度このデッキを攻撃する最高の方法を見つけ出すチャンスがあると、倒すことができるようにも見える。ラヴニカのギルドの新しいカードを注目の的として見るだけではなく、ローテーション前はほとんどプレイされなかったが、フォーマットのトップへと登った古いカードも見ていこう。多分一番良い例は《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》だ。
なぜこの2マナが、すぐにスタンダードのどこにでもいるようになったのか? ゴルガリはラヴニカのギルドでサポートされ、墓地に関心があり、探検のメカニズム -- 《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》をサポートする必要があるメカニズム --が墓地テーマと良く働くという事実が、関係している一部である。しかし多分もっと大きなパズルのピースは、スタンダードでローテーションされたカードにある。今日、《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》は各種赤系アグロデッキへの最高の回答の1枚であり、赤系アグロは主な除去呪文として、《稲妻の一撃/Lightning Strike》と《溶岩コイル/Lava Coil》に頼っているので、いったんこのエレメントがタフネス4に成長すると、倒すのに本当に苦労することになる。ローテーション前は、ほとんどすべてに近い人気のある赤系アグロは、《致命的な一押し/Fatal Push》と《無許可の分解/Unlicensed Disintegration》のために黒をタッチして、どんなに成長しても問題なく《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》を対処する方法となっていた。除去についてこの小さな変化が、現在のスタンダードで《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》を大流行させ、最も恐ろしいカードの1枚となっている。少なくてもある種のデッキに対しては。
《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》のように、《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》もフォーマットにある除去の変化によって利益を得たカードであり、ゴルガリ・ミッドレンジの解決策でもある。最適化されたゴルガリ・ミッドレンジのリストは最終形から遠いが、最近 Magic Online のリーグでで 5-0 した構築をちょっと見てみよう。
ゴルガリ・ミッドレンジ
- メイン
土地 | ||
3 | 《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》 | |
5 | 《沼/Swamp》 | |
7 | 《森/Forest》 | |
4 | 《草むした墓/Overgrown Tomb》 | |
プレインズウォーカー | ||
2 | 《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》 | (4)(黒)(緑) |
2 | 《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》 | (2)(黒)(緑) |
ソーサリーソーサリー | ||
2 | 《採取/Find》 | (黒/緑)(黒/緑)(4)(黒)(緑) |
ソーサリー | ||
2 | 《煤の儀式/Ritual of Soot》 | (2)(黒)(黒) |
クリーチャー | ||
2 | 《千の目、アイゾーニ/Izoni, Thousand-Eyed》 | (2)(黒)(黒)(緑)(緑) |
2 | 《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》 | (黒)(黒)(緑)(緑) |
4 | 《管区の案内人/District Guide》 | (2)(緑) |
2 | 《疫病造り師/Plaguecrafter》 | (2)(黒) |
4 | 《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》 | (2)(黒)(黒) |
2 | 《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》 | (2)(緑) |
4 | 《探求者の従者/Seekers' Squire》 | (1)(黒) |
4 | 《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》 | (1)(緑) |
エンチャント | ||
2 | 《死の重み/Dead Weight》 | (黒) |
1 | 《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》 | (1)(黒) |
インスタント | ||
2 | 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》 | (黒)(緑) |
- サイドボード
1 | 《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》 | (1)(黒) |
1 | 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》 | (黒)(緑) |
1 | 《喪心/Cast Down》 | (1)(黒) |
1 | 《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》 | (2)(緑) |
3 | 《強迫/Duress》 | (黒) |
1 | 《煤の儀式/Ritual of Soot》 | (2)(黒)(黒) |
1 | 《最古再誕/The Eldest Reborn》 | (4)(黒) |
3 | 《蔦草牝馬/Vine Mare》 | (2)(緑)(緑) |
1 | 《ビビアン・リード/Vivien Reid》 | (3)(緑)(緑) |
2 | 《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》 | (2)(黒)(黒) |
見ての通り、このデッキは戦場に入ったときの能力があるカードでほとんど独占していて、戦場に入ったとき何かをするので、24体すべてのクリーチャーは強力である。すべてのゴルガリ・ミッドレンジのリストがここまで極端ではないが、ここまで極端ではない構築でも、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と多分何枚かの《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》といった、戦場に入ったときの能力を効果的に使う必要のないクリーチャーしか入っていない、主に戦場に入ったときの能力を持つクリーチャーをプレイしている。
もっと重要なことは、戦場に入ったときの能力を封じることは、《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》も封じることになり、このカードはゴルガリ・ミッドレンジにとって《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》のようなクリーチャーへの主な回答である。だから、ゴルガリの探検と墓地からアドバンテージを得るゲームプレイを壊すことに加え、この2マナも奇妙な方法で自分自身を守ることにもなる。《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》と《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》が複数枚あることに加え、6マナの《採取+最終/Find+Finality》の《衰滅/Languish》面と多分《煤の儀式/Ritual of Soot》があることは、ゴルガリが《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》に対して数枚回答があるということだが、回答の枚数としては非常に少なく、戦場に着地すればとても妥当なチャンスがあるということである。
《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》が着地するゲームでは、ゴルガリ・ミッドレンジはとてもひどいことになる。《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》と《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》はもはや探検をしない。《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》はただの高コストな4マナであり、《千の目、アイゾーニ/Izoni, Thousand-Eyed》は6マナ 2/3(笑)だ。基本的には、ゴルガリ・ミッドレンジに対して《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》を戦場に保つことができれば、ゴルガリが勝つことはほとんどありえなさそうである。
《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》をプレイする理由は、どれだけゴルガリに対して良いかであるが、少なくても他の対戦に対しても多少効果もある。ほとんどの緑のデッキは探検クリーチャーをプレイするので、実際緑単ストンビィを除いてどんなデッキに対しても非常に良い。セレズニア・トークンに入っている、《不和のトロスターニ/Trostani Discordant》、《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》、多分構築にも依るが《管区の案内人/District Guide》のようなカードも、有効な枚数を封じられる。各種ドラゴンデッキに対して、《破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravager》と《刃の翼ヴェリックス/Verix Bladewing》も当たる。《弾けるドレイク/Crackling Drake》のカードドローも封じられる。そしてわくわくしないが、1/3 ブロッカーは赤系アグロの有効な数のクリーチャーをブロックできるし、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の戦場に入ったときの能力を止めることもできる。そういうわけで、ゴルガリを屠るために《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》をプレイするだろうが、少なくても他の対戦でもちょっと価値を得られる。
もちろん《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》のアドバンテージを得るために、《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》の効果は対称的なので、戦場に入ったときの能力に頼らないデッキをプレイする必要がある。つまりおそらくセレズニア・トークンはプレイしたくないだろう。しかしながら、戦場に入ったときの能力を持つクリーチャーはたくさんいないので、各種ボロスの構築は自然な居場所になりそうである。そして強力な脅威がいるということは、対戦相手はとっておきの除去呪文を《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》に使うことは苦痛になるということである。なぜなら、戦場に《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》や《輝かしい天使/Resplendent Angel》を残すことになるからだ。白単アグロは、別の良い選択があり、戦場に入ったときの能力があるクリーチャーは《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》だけであり、サイドボードに《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》をプレイする白ベースのコントロールデッキを見ることさえあるかもしれない。もし君が白いデッキでゴルガリの威迫と戦う簡単な方法を求めているなら、《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》を何枚かサイドボードと、多分メインデッキにも投げ入れてみることを考慮しよう。これは、現在のフォーマットで持てる最高の回答の1つだ。
戦場に居る必要があるアーティファクト
大半の《パンハモニコン/Panharmonicon》で現在の記録保持者はスタンダードをプレイしていたので、《パンハモニコン/Panharmonicon》がもはやフォーマットの一部ではないことが、俺を悲しませている。なぜなら今は《削剥/Abrade》がローテーションされ、実際数ターンの間良いことをするために戦場に居る必要がある何もしないアーティファクトを使った構築をし、妥当な時間仕事させる計画をすることが可能だからだ。《秋の騎士/Knight of Autumn》は問題だが、2色必要になるので、《削剥/Abrade》ほど人気は無い。《ビビアン・リード/Vivien Reid》は急上昇しているが、まだ多くはプレイされていない。もしコントロールの対戦相手が《浄化の輝き/Cleansing Nova》を1体のアーティファクトを壊すために使いたいかもしれないが、それは世界の終わりではない。ようするに、もはや 50%(以上)のメインデッキにアーティファクト対策がたまたまプレイするフォーマットの世界にはいないということだ。今や、何にでも当たる《議事会の裁き/Conclave Tribunal》のようなモノを除くと、大半のデッキはメインデッキに解決されたアーティファクトを対処する方法が無く、サイドボードでさせ多くの回答は無い。人々はもっとゴルガリの墓地いじりに回答し、赤単やボロスに対して生き残り、各種コントロールデッキを乱して戦うことに、注力しているからだ。
アブザン探検
- メイン
土地 | ||
5 | 《森/Forest》 | |
4 | 《寺院の庭/Temple Garden》 | |
4 | 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》 | |
2 | 《平地/Plains》 | |
4 | 《名誉の記念像/Memorial to Glory》 | |
3 | 《草むした墓/Overgrown Tomb》 | |
ソーサリーソーサリー | ||
3 | 《採取/Find》 | (黒/緑)(黒/緑)(4)(黒)(緑) |
クリーチャー | ||
4 | 《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》 | (1)(緑) |
2 | 《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》 | (1)(緑) |
4 | 《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》 | (1)(緑) |
2 | 《秋の騎士/Knight of Autumn》 | (1)(緑)(白) |
4 | 《不和のトロスターニ/Trostani Discordant》 | (3)(緑)(白) |
4 | 《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》 | (1)(緑)(緑) |
エンチャント | ||
4 | 《発見の道/Path of Discovery》 | (3)(緑) |
2 | 《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》 | (3)(白) |
インスタント | ||
3 | 《大集団の行進/March of the Multitudes》 | (X)(緑)(白)(白) |
アーティファクト | ||
2 | 《不滅の太陽/The Immortal Sun》 | (6) |
- サイドボード
2 | 《混沌のワンド/Chaos Wand》 | (3) |
2 | 《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》 | (2)(緑) |
3 | 《強迫/Duress》 | (黒) |
2 | 《孵卵場の蜘蛛/Hatchery Spider》 | (5)(緑)(緑) |
2 | 《秋の騎士/Knight of Autumn》 | (1)(緑)(白) |
2 | 《悔恨する僧侶/Remorseful Cleric》 | (1)(白) |
2 | 《残骸の漂着/Settle the Wreckage》 | (2)(白)(白) |
メインデッキで《不滅の太陽/The Immortal Sun》を、価値のためやプレインズウォーカーへの良い回答のために入れているデッキを、すでにいくつか見てきた。《勝者の戦旗/Vanquisher's Banner》は、Magic Online でエルフを 5-0 に押し上げ、おろらくイクサランやドミナリアの(ゴブリンや海賊や苗木のような)他の部族も可能性がある。そしてランプでアドバンテージを得て、《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》と《金粉の水蓮/Gilded Lotus》でマナを修正した、狂ったデッキを誰かが見つけ出すのは、時間も問題でしかない。ようするに、君はもはや、強力なアーティファクトを使ったデッキを構築する心配をすべきではない。《削剥/Abrade》で破壊されてしまう確率が非常に高かった過去のスタンダードとは違って、現在のフォーマットでは、鍵となるアーティファクトを着地させるのを咎める人達は、もうほとんどいないのである。強力なサポートカードに囲まれて、勝利に乗っかろう!
(後半へ続く)