【翻訳】Against the Odds:王笏ロック(モダン)
原文
やぁ、みんな。第272回目の Against the Odds へようこそ。先週は、モダンのコンボ風カードの候補にしたが、最終的に《等時の王笏/Isochron Scepter》がトップになった! そういうわけで、今日はモダンへ向かって、《等時の王笏/Isochron Scepter》の助けで低コストのインスタントを繰り返し唱えて価値を産むだけでなく、《等時の王笏/Isochron Scepter》と《沈黙/Silence》のコンボで対戦相手のロックもしよう! この計画は働くのか? (対戦相手をロックすることで)《等時の王笏/Isochron Scepter》の勝率はどのくらいなのか? 動画に行って見つけ出そう。その後で、このデッキについてもっと話をしよう!
簡単な注意:もしまだなら、MTGGoldfish の YouTube にチャンネル登録しよう。
動画
王笏ロック
- メイン
Creature (6) | ||
1 | 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》 | {2}{U}{U}{U} |
4 | 《選択/Opt》 | {0} |
Instant (13) | ||
3 | 《遅延/Delay》 | {1}{U} |
1 | 《ブーメラン/Boomerang》 | {U}{U} |
3 | 《差し戻し/Remand》 | {1}{U} |
4 | 《流刑への道/Path to Exile》 | {W} |
2 | 《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》 | {W}{U} |
Sorcery (3) | ||
2 | 《加工/Fabricate》 | {2}{U} |
1 | 《至高の評決/Supreme Verdict》 | {1}{W}{W}{U} |
Artifact (5) | ||
1 | 《知識槽/Knowledge Pool》 | {6} |
4 | 《等時の王笏/Isochron Scepter》 | {2} |
Enchantment (4) | ||
4 | 《沈黙/Silence》 | {1}{W}{W} |
Planeswalker (5) | ||
1 | 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》 | {2}{U}{U} |
4 | 《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 | {1}{W}{U} |
Land (24) | ||
2 | 《廃墟の地/Field of Ruin》 | |
3 | 《虹色の眺望/Prismatic Vista》 | |
4 | 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 | |
2 | 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 | |
4 | 《冠雪の島/Snow-Covered Island》 | |
3 | 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》 | |
1 | 《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》 | |
3 | 《天界の列柱/Celestial Colonnade》 | |
2 | 《金属海の沿岸/Seachrome Coast》 |
- サイドボード
3 | 《霊気の疾風/Aether Gust》 | {1}{U} |
2 | 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》 | {2}{W} |
3 | 《天界の粛清/Celestial Purge》 | {1}{W} |
1 | 《払拭/Dispel》 | {W} |
2 | 《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》 | {W}{U} |
2 | 《安らかなる眠り/Rest in Peace》 | {1}{W} |
2 | 《至高の評決/Supreme Verdict》 | {1}{W}{W}{U} |
デッキ
《等時の王笏/Isochron Scepter》が勝ったとき、俺はこのアーティファクトで、単に価値を産む以上のことをしたいことが分かった。理論的に、《選択/Opt》や《稲妻/Lightning Bolt》のような何かを毎ターン唱えることでゲームに勝てるだろうが、それは Against the Odds にとってとてもつまらないものだ。俺は統率者ルートに行き、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》で無限マナを産むことをちょっと考えたが、これは追加ステップがいる一種の《パラドックス装置/Paradox Engine》のように感じた。結局、《等時の王笏/Isochron Scepter》が勝ったことで、俺がMagicで気に入っていることをすると決めた。対戦相手をロックすることだ!
コンボ
《等時の王笏/Isochron Scepter》は興味深いカードだ。ちょっとリスク(価値を産む前に破壊される)があり、高コスト(1マナのインスタントを2マナで唱えるのは、全然効果的でない)だが、同じインスタンスを毎ターン唱えられることは、すべてのゲームで《等時の王笏/Isochron Scepter》を見つけるために《加工/Fabricate》を2枚プレイしているという点でも、超強力でもある。(このデッキにはもう一種類1枚差しのアーティファクトがあるが、後で詳しく説明する)。除去からカードドローと打ち消しまで、このデッキには刻印できる低コストのインスタントが山ほどあるが、主な目的は《沈黙/Silence》を刻印することだ。《王笏》+《沈黙/Silence》コンボが決まると、《等時の王笏/Isochron Scepter》を使って対戦相手のアップキープに《沈黙/Silence》を毎ターン唱えることができ、基本的にソーサリー・スピードでは何もプレイできなくなるように対戦相手をソフトロックすることになる。これは、あるデッキにとってはかなりしっかりとしたロックになる。問題は、インスタント・スピードのアーティファクト(訳注:「スペル」の間違いだと思う)やパーマネント破壊(《自然の要求/Nature's Claim》や《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》など)で《等時の王笏/Isochron Scepter》を破壊し、ロックを解かれることである。ありがたいことに、戦場に2枚以上パーツを出せれば、このソフトロックをハードロックに変えられる!
ロックの最後のパーツは《テフェリー》で、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》か《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》のどちらでも、インスタント・スピードの呪文を唱えられなくさせられる。どちらかの《テフェリー》が戦場にあると、《等時の王笏/Isochron Scepter》を使って《沈黙/Silence》を毎ターン唱え、ソーサリー・スピードの呪文を唱えられないようにし続けられる。その後、《テフェリー》がインスタント・スピードの呪文を唱えられないようにすることで、基本的に対戦相手は残りのゲームで呪文を唱えられなくなる。ロック実現後、戦場にあるものを何でも処理できるとすると(最速4ターン目にできる)、対戦相手がもはやMagicをプレイできないと理解するまで、ターンがたくさん掛かることはないはずだ。
ちょっと前に話した、《加工/Fabricate》で見つけられる1枚差しのアーティファクトがあることを覚えているだろうか? そのアーティファクトとは《知識槽/Knowledge Pool》で、どちらかの《テフェリー》があるときのバックアップ・プランになる。《知識槽/Knowledge Pool》は本当に奇妙なカードだ。誰が呪文を唱えても、《知識槽/Knowledge Pool》で追放する誘発が起こり、《知識槽/Knowledge Pool》下で追放された呪文を唱えさせる。対戦相手にとっての問題は、《知識槽/Knowledge Pool》の誘発はスタックに乗るので、唱えようとしたカードはソーサリー・スピードではない(たとえメインフェーズに唱えたとしても)。つまり、《テフェリー》がいると、もう一つのハードロックになるということである。主な計画は《王笏》ロックだが、山ほどある余分なマナ、《加工/Fabricate》、《テフェリー》という状況なら、ロックするために《等時の王笏/Isochron Scepter》を見つけて《沈黙/Silence》を引くことを期待するより、《知識槽/Knowledge Pool》を掴んだほうが簡単だ。
他のカード
デッキの残りは3つのことに焦点を当てている。《等時の王笏/Isochron Scepter》トリックの追加、ハードロックを決める前に対戦相手が出すかもしれないものへの対処、ゲームのフィニッシャー(対戦相手がロックを壊すなら)だ。全体除去の《至高の評決/Supreme Verdict》以外、すべての除去は《等時の王笏/Isochron Scepter》に刻印できる。《ブーメラン/Boomerang》はどんなパーマネントでも戻せるので、《等時の王笏/Isochron Scepter》に刻印する2番目にスィートな対象だ。つまり、毎ターン土地をバウンスすることで、対戦相手をロックすることもある。一方《流刑への道/Path to Exile》と《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》は《王笏》できる除去で、特に《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》は、クリーチャーをデッキトップに戻す必要がないならカードが1枚引けるので、着実な刻印対象のカードだ。
《等時の王笏/Isochron Scepter》下でも置ける打ち消し呪文も複数ある。《差し戻し/Remand》はとても分かりやすい。恒久的に呪文を打ち消せないが、手札に戻すと同時にカードも一枚引け、これが遅くさせる優れた方法となり、同時にロックのパーツも掘り進められる。《遅延/Delay》はモダンでは全然見ないが、このデッキでは完璧だ。呪文を打ち消すのではなく、《遅延/Delay》は3ターン待機させる。普通これは問題になるが、このデッキでは、3ターン使って《沈黙/Silence》を見つけるか《テフェリー》をプレイできれは、そのどちらかによってアップキープ時に唱えられなくすることで呪文を永遠に追放し続けられる。これで基本的に《遅延/Delay》は《対抗呪文/Counterspell》へアップグレードになる。
最後に、実際に対戦相手を倒すなら、マナベースにある《天界の列柱/Celestial Colonnade》に加え、1体の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でビートダウンする。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を一体着地させ、奥義が撃てるまで数ターンプラスし、対戦相手をライブラリアウトさせることもできる。しかし、俺が前に言ったように、実際に対戦相手を倒さなければならないのはまれだ。勝ちのほどんどすべての割合は、ハードロックであきらめることである。
対戦
普段ここでは、どのくらいミッドレンジのクリーチャーデッキと対戦したく、スペルベースのコンボデッキは避けたいかについて話す。王笏ロックは、基本的に Against the Odds にある大半のデッキとは逆だ。スペルベースのコンボデッキは実際最高の対戦であり、適当な打ち消し呪文は優れており、単に正しいタイミングで(《等時の王笏/Isochron Scepter》が無くても)《沈黙/Silence》を唱えるだけで、大抵コンボはフィズってゲームに勝てるからだ。逆に、クリーチャーベースのアグロデッキは典型的に一番厳しい対戦で、ロックを決めるまで盤面は押されていることが多い。あぁそうだ。《知識槽/Knowledge Pool》計画で行くなら、対戦相手の《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》が課題になる。ロックは両方で働くからだ。もし《知識槽/Knowledge Pool》をプレイし、対戦相手の《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》が戦場にいるなら、自分の呪文がロックされることになる!
勝率
普通、Against the Odds では2構(訳注:1対1で1戦するフォーマット)をプレイするが、動画を録画している間、キューに入って対戦をする時間が厳しかったので、今回の対戦のほとんどはリーグのものだ。リーグで 3-2 し、Against the Odds 最初の宝箱(訳注:リーグ戦で3勝以上するともらえる)を開けることとなった! もっと重要なことは、基本的にすべての勝ちは《等時の王笏/Isochron Scepter》+《沈黙/Silence》ロックからだったことだ。アグロなクリーチャーデッキと戦うために、もうちょっと必要かもしれないが、王笏ロックは多くのアンフェアデッキに対して、面白いくらい効果的だった。奇妙に聞こえるかもしれないが、実際最低でも準競技的かもしれない!
来週の候補
ある人達は、最近 Against the Odds であまりにも勝っていると言っている。なので来週は、カルドハイムを待っている間、違う方向に行こう。ゲームに勝つためにコンボをプレイするのではなく、ゲームを描く(draw)ためにコンボをプレイしよう! どれがいいかな? ここから投票しよう!